桑名市総合医療センター、まつもと医療センターのDPC継続を報告―中医協総会



Pocket

 三重県の桑名東医療センター・桑名西医療センター・桑名南医療センターが合併した「桑名市総合医療センター」と、長野県のまつもと医療センター松本病院・まつもと医療センター中信松本病院が合併した「まつもと医療センター」について、合併後もDPC制度への参加継続を認める―。

 こうした報告が5月16日に開催された中央社会保険医療協議会・総会で行われました。

5月16日に開催された、「第393回 中央社会保険医療協議会 総会」
5月16日に開催された、「第393回 中央社会保険医療協議会 総会」
 

病院合併や大幅なベッド数変更後に、DPC継続が可能かは個別に審査

 地域医療構想の実現に向けて、また医師不足等を背景とした医療資源の集約化等に向けて、病院の再編・統合が進んでいます。もっとも、一口に「病院の再編・統合」と言っても、▼急性期のA病院が、急性期のB病院を、いわば吸収合併するケース▼急性期のA病院と急性期のB病院を、急性期のC病院と回復期・慢性期のD病院に機能再編するケース―などさまざまなパターンがあります。

そのため、合併前にDPC制度に参加していたある病院について、合併後にもDPCへの参加継続を認めるか否かは、合併後の病院の機能等を見て判断する必要があります。さらに、合併に限らず、あるDPC対象病院が大幅な増床やダウンサイジング(病床削減)をした場合でも、その後の機能によってはDPC制度への参加が不適切となることも考えられます。

そこで中医協では、今年(2018年)3月に次のようなルールを決定し、個別に「DPC制度への参加継続が妥当か否か」を判断することとしています(関連記事はこちらこちら)。

【DPC病院の合併】
DPC病院同士が合併する場合には、急性期同士の合併であり「今後も急性期入院医療を提供する」と考えられ、さらに提出されているデータ(DPCデータ)から合併後の診療内容を推測できる。このため、「DPC制度への参加継続に関する特段の審査は不要」で、合併後もDPC制度への参加基準を満たしていれば、参加継続が可能となる。

係数は、▼基礎係数は「合併前の主たる病院」の医療機関群のもの▼機能評価係数IIは「両者の加重平均値」(症例数ベース)▼激変緩和係数(2018年度診療報酬改定で新設される改定年度限り(1年度限り)の激変緩和措置)は「両者の加重平均値」(症例数ベース)—を適用する。

【DPC病院の分割】
DPC病院の分割では、▼一方が急性期医療を継続し、他方が慢性期等に機能転換するケース▼「両者ともに急性期医療を継続するケース▼両者ともに慢性期等に機能転換するケース―など、さまざまなパターンが考えられ、事例ごとに審査を行った上で、DPC制度への参加継続の可否を判断する。

 「分割後、複数のDPC病院となる」ことが認められた場合の係数は、▼基礎係数は「DPC標準病院群」(旧III群)のもの▼機能評価係数IIは「分割前」のもの▼激変緩和係数は「分割前」のもの—を適用する。

【DPC病院の大幅なベッド数変更】
大幅な病床数変更をするケースでも、▼ベッドを減らしたまま急性期を維持するパターン▼ベッドを減らし、さらに慢性期等に機能転換するパターン―など、さまざまであり、事例ごとに審査を行った上で、DPC制度への参加継続の可否を判断する。

なお「大幅な病床数変更」は、▼同一年度に「200床以上増減」する▼同一年度に「2倍以上」または「2分の1以下」となる―ことを指す。

この場合の係数は、▼基礎係数は「ベッド数変更前」の医療機関群のもの▼機能評価係数IIは「ベッド数変更前」のもの▼激変緩和係数は「ベッド数変更前」のもの—を適用する。

 
今般、次の2つの病院合併事例(今年(2018年)5月1日に合併)について、DPC制度への参加継続が報告されました。DPC病院同士の合併事例と言えます。

▽桑名東医療センター(349床、すべてDPC対象病床)・桑名西医療センター(243床、同)・桑名南医療センター(79床、同)が合併し、「桑名市総合医療センター」(400床、同)となる

▽まつもと医療センター松本病院(250床、うち200床がDPC対象病床)・まつもと医療センター中信松本病院(280床、うち130床がDPC対象病床)が合併し、「まつもと医療センター」(458床、うち237床がDPC対象病床)となる
中医協総会 180516の図表
 

新薬の承認、高額ゆえ、DPCにおいて出来高算定となるものも

 なお5月16日の中医協総会では、15成分・21品目の新薬について薬価収載(今年(2018年)5月22日収載予定)が承認されました。

 このうち、次の薬剤については高額なため、DPC制度下でも出来高算定となります(当該薬剤だけでなく、当該コードについて診療内容すべてが出来高算定となる)(厚労省のサイトはこちら)。

▽ミガーラスタットに反応性のあるGLA 遺伝子変異を伴うファブリー病治療に用いる「ガラフォルドカプセル123mg」(14万2662.10円):100335【代謝障害】(100335xx99x00xなど)において出来高算定

▽テジゾリドに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による「深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染」治療に用いる「シベクトロ錠200mg」(2万801.40円):▼050170【閉塞性動脈疾患】▼050180【静脈・リンパ管疾患】▼080010【膿皮症】▼080245【放射線皮膚障害】▼080250【褥瘡潰瘍】▼100081【その他の糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。)】▼100100【糖尿病足病変】▼180040【手術・処置等の合併症】—において出来高算定

▽保存療法で十分な改善が得られない後縦靱帯下脱出型の腰椎椎間板ヘルニア治療に用いる「ヘルニコア椎間板注用1.25単位」(8万1676円):070350【椎間板変性、ヘルニア】(070350xx99x0xxなど)において出来高算定

▽テジゾリドに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による「深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染」治療に用いる「シベクトロ点滴静注用200mg」(2万8084円):▼050170【閉塞性動脈疾患】▼050180【静脈・リンパ管疾患】▼080010【膿皮症】▼080245【放射線皮膚障害】▼080250【褥瘡潰瘍】▼100081【その他の糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。)】▼100100【糖尿病足病変】▼180040【手術・処置等の合併症】—において出来高算定

▽結節性硬化症に伴う皮膚病変の治療に用いる「ラパリムスゲル0.2%」(3855円):080180【母斑、母斑症】(080180xx99xxxxなど)において出来高算定

 
また、▼「シベクトロ錠200mg」「シベクトロ点滴静注用200mg」は、070330【脊椎感染(感染を含む。)】において「リネゾリド」の分岐に▼既存治療で効果不十分な「尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」治療に用いる「トレムフィア皮下注100mgシリンジ」(31万9130円)は、080140【炎症性角化症】において「ウステキヌマブ」の分岐に―反映されます(類似薬であるため)。
 
 

 

MW_GHC_logo

 

【関連記事】

DPC病院の分割や大幅なベッド数変更、DPC参加継続の可否を個別審査―中医協総会
DPC病院、200床以上の病床変更などの場合も「継続参加」のための審査―厚労省
2017年度機能評価係数II、I群0.0636、II群0.0730、III群0.0675が上位25%ライン—DPC評価分科会(2)

愛知県稲沢市など、2019年度末まで地域加算の7級地と見做す―中医協総会(2)
がんゲノム医療の推進に向け、遺伝子パネル検査を先進医療で導入―中医協総会(1)
肺がん治療薬「テセントリク」とアトピー治療薬「デュピクセント」の最適ガイドラインを了承―中医協総会

7対1病院が急性期一般1を算定する場合、9月までは特段の届け出不要―疑義解釈2【2018年度診療報酬改定】
保険診療上の【オンライン診療料】、実施指針よりも厳格に運用―疑義解釈1【2018年度診療報酬改定】(3)
医療安全のピアレビュー、抗菌薬の適正使用推進を評価する加算を新設―疑義解釈1【2018年度診療報酬改定】(2)
看護必要度IIの詳細、入院時支援加算における専従・専任看護師の規定など解説―疑義解釈1【2018年度診療報酬改定】(1)
18832″ target=”_blank”>【2018年度診療報酬改定答申・速報6】がん治療と仕事の両立目指し、治療医と産業医の連携を診療報酬で評価
【2018年度診療報酬改定答申・速報5】在総管と施設総管、通院困難患者への医学管理を上乗せ評価
【2018年度診療報酬改定答申・速報4】医療従事者の負担軽減に向け、医師事務作業補助体制加算を50点引き上げ
【2018年度診療報酬改定答申・速報3】かかりつけ機能持つ医療機関、初診時に80点を加算
【2018年度診療報酬改定答申・速報2】入院サポートセンター等による支援、200点の【入院時支援加算】で評価
【2018年度診療報酬改定答申・速報1】7対1と10対1の中間の入院料、1561点と1491点に設定

Pocket