病院の入院単価、最高は東京都4万2472円、最低は鹿児島県2万8741円―厚労省



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 2016年度における病院の1日当たり入院医療費(つまり単価)を都道府県別に見ると、最高の東京都(4万2472円)と最低の鹿児島県(2万8741円)との間に1.48倍の格差がある。また、公的病院に限定しても、最高の大阪府(5万9615円)と最低の福島県(3万9566円)との間で1.51倍の格差がある―。

 こういった状況が、厚生労働省が5月2日に公表した2016年度の「都道府県別 医療機関種類別 医科医療費の動向」(増補版)から明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。

病院構成の地域差のほかに、「患者特性、診療内容」の差がある可能性も

 2016年度における医科病院の1日当たり入院医療費は、全国平均で3万5909円となりました。これは入院患者1人・1日当たりの単価と読み替えることができます。

 しかし、都道府県別に見ると、最も高いのは東京都の4万2472円(次いで、神奈川県の4万1246円、愛知県3万9295円)、最も低いのは鹿児島県の2万8741円(次いで、熊本県の2万9626円、佐賀県の2万9915円)となり、最高と最低との間に1.48倍の格差があることが分かりました。

都道府県別に見た、1日当たり医療費の状況
都道府県別に見た、1日当たり医療費の状況
 
 もっとも東京都には特定機能病院(大学病院本院)が多数あるなど、都道府県ごとに病院の構成が若干異なります。こうした要素をできるだけ除外するために、病院の種類別・都道府県別に入院単価を見てみましょう。

まず大学では、最高の大阪府(7万265円)と最低の埼玉県(6万6359円)との格差は1.06倍にとどまります。ただし、多くの県では1つの大学病院しか擁していないため、単価は公表されていません(公表は、4つ以上の大学病院がある北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、福岡県のみ)。したがって、全体ではどれほどのバラつきがあるのかは不明です。

次に公的病院を見てみると、最高の大阪府(5万9615円、次いで京都府の5万6633円、神奈川県の5万6568円)と最低の福島県(3万9566円、次いで岩手県の3万9846円、石川県の3万9924円)との間で1.51倍の格差があります。

医療法人病院では、最高の東京都(3万3126円)と最低の富山県(2万108円)との間に1.65倍の格差があります。

都道府県別・医療機関種類別に見た、1日当たり医療費の状況
都道府県別・医療機関種類別に見た、1日当たり医療費の状況
 
ここから、都道府県別の入院単価のバラつきには、「地域における病院の構成」のほかにも、「患者特性、診療内容」などが関係している可能性が伺えます。もっとも、公的病院と一口に言っても、「すべての患者を診なければならない」地方の病院と、比較的重症の患者を中心に診る都市部の病院とでは機能が異なるため、より詳細な分析が待たれます。

なお、200床以上の病院における入院単価を都道府県別に見ると、最高は東京都の4万7964円(次いで、神奈川県の4万5698円、和歌山県の4万5658円)、最低は宮崎県の3万1522円(次いで、佐賀県の3万4308円、長崎県の3万4636円)となっており、最低と最高の間に1.52倍の格差があります。

1件当たり入院日数、最短は東京都・神奈川県の13.9日、最長は鹿児島県の18.6日

また、医科病院における1件当たり入院日数を都道府県別に見ると、最短は東京都と神奈川県の13.9日(次いで、愛知県の14.5日、長野県の14.6日)、最長は鹿児島県の18.6日(次いで、高知県の18.5日、佐賀県の18.4日)で、4.7日の格差があります。

都道府県別に見た、1件当たり日数の状況
都道府県別に見た、1件当たり日数の状況
 
病院の種類別に見ると、▼大学病院では、最短の千葉県(9.8日)と最長の北海道(11.6日)との間に1.8日の格差(ただし、前述のように多くの県では非公表)▼公的病院では、最短の神奈川県・大阪府(10.4日)と最長の石川県(13.5日)との間に3.1日の格差▼法人病院では、最短の東京都(16.1日)と最長の富山県・島根県(23.5日)との間に9.2日▼200床以上の病院では、最短の東京都(12.9日)と最長の宮崎県(18.1日)との間に5.2日―の格差があることが分かりました。
都道府県別・医療機関別に見た、1件当たり日数の状況
都道府県別・医療機関別に見た、1件当たり日数の状況
 
こちらも、病院種類の構成の違いのほかに、「患者特性や診療内容」が関係しているのか、さらに詳細な調査・分析に期待が集まります。
 
 

 

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