7対1病院が急性期一般1を算定する場合、9月までは特段の届け出不要―疑義解釈2【2018年度診療報酬改定】



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 今年(2018年)9月までは、重症度、医療・看護必要度などの基準を満たしていれば「7対1一般病棟は急性期一般入院料1」を、「10対1一般病棟で看護必要度加算1・2・3を取得している病棟は、それぞれ急性期一般入院料4・5・6」を、特段の届け出なしに算定可能である。ただし10月以降も引き続き算定する場合には、改めての施設基準届け出が必要である―。

厚生労働省は4月6日に「疑義解釈資料の送付について(その2)」を公表し、こういった点を明らかにしました(厚労省のサイトはこちら、関連記事はこちらこちらこちら)。

「10対1+看護必要度1」病院が急性期一般4を算定する場合なども同様

2018年度診療報酬改定では、7対1・10対1一般病棟入院基本料を再編・統合し、7種類の急性期一般入院料が創設されました。看護配置等をベース(共通部分・基本部分)とし、重症患者の受け入れ状況を評価指標とする「実績部分」を組み合わせるものです(関連記事はこちらこちらこちら)。もっとも、医療現場に激変を生じさせないよう、従前の7対1・10対1との間に一応の対応関係も持たせています。

▽急性期一般入院料1 ← 7対1

▽急性期一般入院料2および3 ←まったくの新設

▽急性期一般入院料4 ← 10対1+看護必要度加算1

▽急性期一般入院料5 ← 10対1+看護必要度加算2

▽急性期一般入院料6 ← 10対1+看護必要度加算3

▽急性期一般入院料7 ← 10対1
改定説明会1の1 180305
 
 今般の疑義解釈その2では、重症度、医療・看護必要度などの基準を満たしたうえで、この「一応の対応関係」に沿って次のとおりに入院料を算定する場合には、今年(2018年)9月までは特段の届け出をせずともよいことが明確にされました。

▼7対1が急性期一般入院料1を算定する場合

▼10対1+看護必要度加算1が急性期一般入院料4を算定する場合

▼10対1+看護必要度加算2が急性期一般入院料5を算定する場合

▼10対1+看護必要度加算3が急性期一般入院料6を算定する場合

 もっとも今年(2018年)10月以降も算定する場合には、改めての施設基準届け出が必要となります。

 
 また、重症度、医療・看護必要度のA項目「8 救急搬送後の入院」について、施設基準の解釈通知では▼救急搬送後の患者が、直接、評価対象病棟に入院した場合のみを評価の対象とし、救命救急病棟、ICU等の治療室に一旦入院した場合は評価の対象に含めない▼ただし、手術室を経由して評価対象病棟に入院した場合は評価の対象に含める―ことが示されています。

 さらに、今般の疑義解釈その2では、「外来受診後に手術室に入室。日付をまたいだ翌日に病棟に入棟した場合」は、「手術室入室日に入院料を算定していれば、その日と翌日の入棟日の2日間」について救急搬送後の入院として評価することが可能な旨が示されました。

地域包括ケア病棟など、改定前の退院・棟患者は旧基準で在宅復帰率を計算してよい

 2018年度改定では、在宅復帰率について次のような整理も行われました。

【急性期一般入院料1】
(1)名称を「在宅復帰率」から「在宅復帰・病床機能連携率」に変更し、地域包括ケア病棟・回復期リハビリ病棟の「在宅復帰率」と異なる指標であることを明確にする
(2)計算の分子に、新設される「介護医療院」を加える
(3)計算の分子に含まれる「療養病棟」や「介護老人保健施設」などについて、「在宅復帰機能強化加算などの算定」を求めないこととする

現行7対1の施設基準である「在宅復帰率」について、急性期一般入院料1への見直しに伴い「在宅復帰・病床機能連携率」に再生!地域包括ケア病棟・回復期リハビリ病棟の「在宅復帰率」とは峻別!
現行7対1の施設基準である「在宅復帰率」について、急性期一般入院料1への見直しに伴い「在宅復帰・病床機能連携率」に再生!地域包括ケア病棟・回復期リハビリ病棟の「在宅復帰率」とは峻別!
 
【地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟】
(1)分子を「自宅」「居住系介護施設等(介護医療院を含む)」「有床診療所(介護サービス提供医療機関に限る)」へ退院したものに限定する(死亡退院・再入院患者を除く)【療養病棟への転院は除外する】
(2)基準値を「7割以上」に揃える
改定説明資料(地域包括ケア病棟・回復期リハ病棟の在宅復帰率) 180305
 
 前者(急性期一般入院料1)は「在宅復帰」だけでなく、他機能病棟への転院等も含めることを明確にし、名称も「在宅復帰・病床機能連携率」と改めています。一方、後者(地域包括ケア病棟、回復期リハ病棟)は「在宅復帰」であることを明確にし、分子を「自宅」「介護施設」に限定しています。病棟の機能の違いから、退院・退棟患者の状態にも違いがあることを踏まえた見直しと言えるでしょう。

 今般の疑義解釈その2では、後者の地域包括ケア病棟・回復期リハ病棟の在宅復帰率について、「直近6か月間に改定前と改定後の期間が両方含まれる場合」には、「3月以前(改定前)に退院・退棟した患者であって、改定前基準で『在宅等に退院するもの』等に該当する患者(在宅復帰機能強化加算を取得する療養病棟への転院患者など)は、4月以降(改定後)の在宅復帰率の基準値の計算においても『在宅等に退院するもの』等に含めてよい」ことが明確にされました。

地域包括診療料や加算、新たに「訪問診療への移行実績」が施設基準に加わる

 2018年度改定では、かかりつけ医機能のさらなる評価の一環として、【(認知症)地域包括診療料】【(認知症)地域包括診療加算】について、「訪問診療への移行実績」に基づく評価(訪問移行実績が高い医療機関では、より高い報酬を設定)が行われます(関連記事はこちら)。

 具体的には、次のすべての要件を満たす場合、地域包括加算であれば【地域包括診療加算1】(25点)が算定可能です(要件を満たさない場合には【地域包括診療加算2】18点を算定)。

▽直近1年間に、当該医療機関での継続的な外来診療を経て、▼往診料▼在宅患者訪問診療料(I)の「1」▼在宅患者訪問診療料(II)(在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料を算定する場合のみ)—を算定した患者の数の合計が、在宅療養支援診療所については10人以上、それ以外の診療所については3人以上(来年(2019年)3月31日までの間、上記の「在宅患者訪問診療料(I)」「在宅患者訪問診療料(II)」の算定患者には、改定前の「在宅患者訪問診療料」算定患者を含めてよい)

▽直近1か月に▼初診▼再診▼往診▼訪問診療—を実施した患者のうち、往診・訪問診療を実施した患者の割合が70%未満
改定説明会(地域包括診療料) 180305
改定説明会(地域包括診療加算) 180305

 
 このように【地域包括診療加算1】には、新たな施設基準「訪問移行実績」が盛り込まれたため、算定する場合には新たな施設基準の届け出が必要となります。今般の疑義解釈では、「改定前に【地域包括診療加算】を届け出ている場合、従前から求められている『適切な研修を修了した医師の配置』などの資料添付は省略してよい」ことが明確にされました。【地域包括診療料】についても同様です。

 

 

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