介護医療院の開設、公的医療機関等の開設者、2024年3月までの転換者なども可能―厚労省



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 厚生労働省は3月30日に、「介護医療院を開設できる者」に関する告示を行いました。

改正介護保険法(2017年改正)を眺めると、第107条に「介護医療院の開設」に関する規定があり、その第3項に「都道府県知事は、介護医療院の開設許可申請があった場合において、次のいずれかの場合には許可を与えることができない」と規定しています。
(1)開設しようとするものが、▼地方公共団体▼医療法人▼社会福祉法人▼その他厚生労働大臣が定める者―でないとき
(2)当該介護医療院が、必要な▼療養室▼診察室▼処置室▼機能訓練室▼都道府県の条例で定める施設▼厚生労働省令・都道府県の条例で定める人員―を有しないとき
(3)「設備及び運営に関する基準」に従って適切な運営をできないと認められるとき
(4)申請者が禁固以上の刑に処せられるなどしたとき
(5)申請者が介護保険法等に定める規定で罰金刑に処せられるなどしたとき
(6)申請者が労働法規に定める規定罰金刑等に処せられるなどしたとき
(7)申請者が保険料等について滞納等しているとき
(8)申請者が開設許可取り消し処分等を受け、5年を経過しないなどのとき
・・・など

 (4)以下は法令等を遵守できない者を除外する規定であり、(2)と(3)は「基準を満たさない」ために当然除外される規定です。

 したがって、(1)の中で「設備等の基準を満たし、法令を遵守しているにもかかわらず、一般に介護医療院の開設が認められない」者が誰になるのかが、ポイントの一つとなります。

 この点、3月30日の告示(厚労省告示第181号)では、上記(1)の「その他厚生労働大臣が定める者」が、次の通りであることが明確にされました。公的医療機関等の開設者は、介護医療院を開設できると考えてよいでしょう。
▼国
▼移行型地方独立行政法人
▼日赤
▼健保組合・健保連
▼国保組合・国保連
▼国共済・国共連・地共済・市町村連合会
▼私学事業団
▼厚生連
▼都道府県知事の許可を得て病院を開設している者(医療法第7条第1項)
▼厚生労働大臣が介護医療院の開設者として適当と認定した者
▼厚生労働大臣が別に定める者

 
 また上記の末尾にある「厚生労働大臣が別に定める者」は、同じく3月30日の告示(厚労省告示第182号)において、次の通りであることが示されています。
▼2018年4月1日から2024年3月31日までの間に、介護療養などから介護医療院等へ転換する病院・診療所の開設者(「介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準」の附則第2条、療養室などの面積について、新築・増築・全面改築工事終了までは緩和される)
▼2006年7月1日から2018年3月31日までの間に、転換型老健を開設した者

 したがって、現在、一般・療養病院等や転換型老健等を開設・運営していれば、介護医療院の開設資格が備わっていると言えるでしょう(もちろん、その上に「設備や人員基準を満たす」ことなどが求められる)。ただし前者については「2018年4月1日から2024年3月31日までに転換する」との条件が設けられています。したがって、現時点では「この6年の間に転換しなければ、療養室面積などの基準緩和は受けられず、改築や病床削減などを行った上で、事実上の『新設』としなければならない」と考えられます。この場合、総量規制(いわば介護保険における地域のベッド数上限、超過分は指定の拒否が可能)の取扱いがどうなるかは不明であり、少なくとも「早めの検討」をしておくことが必要でしょう。

 

 

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