DPC病院の分割や大幅なベッド数変更、DPC参加継続の可否を個別審査―中医協総会



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 DPC病院同士が合併する場合には、個別の審査なしに、DPC制度への参加継続を認めるが、DPC病院が分割する場合、あるいは大幅なベッド数の増減を行う場合には、個別事例を審査し、DPC制度への参加継続の可否を判断する―。

 3月7日に開催された中央社会保険医療協議会・総会で、こういった方針が固められました。継続が認められた場合の係数設定ルールも整理されています。

3月7日に開催された、「第390回 中央社会保険医療協議会 総会」
3月7日に開催された、「第390回 中央社会保険医療協議会 総会」

DPC病院の分割やベッド数変更、急性期医療継続するか否かなどを個別に判断

 DPC制度では、急性期入院医療について入院基本料や薬剤料などを包括して支払います。このため、DPC病院が合併や分割、さらに大幅な病床数変更を行った際、仮に「急性期入院医療は提供しない」こととなれば、DPC制度から退出しなければなりません。

中医協や下部組織であるDPC評価分科会では、▼合併▼分割―におけるルールを昨年(2017年)、見直しており、今般、▼大幅な病床数変更―におけるルールを明確にしました。あわせて具体的な手続き方針も固めています(関連記事はこちらこちら)。

【DPC病院の合併】
まずDPC病院同士が合併する場合には、急性期病院同士の合併ゆえ「今後も急性期入院医療を提供する」と考えられ、さらに提出されているデータ(DPCデータ)から合併後の診療内容を推測できます。このため、「DPC制度への参加継続に関する特段の審査は不要」とされました。合併後もDPC制度への参加基準を満たしていれば、参加継続が可能です。

係数については、▼基礎係数は「合併前の主たる病院」の医療機関群のもの▼機能評価係数IIは「両者の加重平均値」(症例数ベース)▼激変緩和係数(2018年度診療報酬改定で新設される改定年度限り(1年度限り)の激変緩和措置)は「両者の加重平均値」(症例数ベース)—を適用します。

【DPC病院の分割】
次にDPC病院の分割については、例えば「一方が急性期医療を継続し、他方が慢性期等に機能転換する」ケース、「両者ともに急性期医療を継続する」ケース、「両者ともに慢性期等に機能転換する」ケースなど、さまざまなパターンが考えられるため、「事例ごとに審査を行った上で、DPC制度への参加継続の可否を判断する」ことになります。

審査の結果、「分割後、複数のDPC病院となる」ことが認められた場合の係数については、▼基礎係数は「DPC標準病院群」(現在のIII群)のもの▼機能評価係数IIは「分割前」のもの▼激変緩和係数は「分割前」のもの—を適用します。

【DPC病院の大幅なベッド数変更】
さらにDPC病院が大幅な病床数変更をするケースについても、「ベッドを減らしたまま急性期を維持する」パターンや、「ベッドを減らし、さらに慢性期等に機能転換する」パターンなど、さまざまであり、分割と同様に「事例ごとに審査を行った上で、DPC制度への参加継続の可否を判断する」ことになります。「大幅な病床数変更」とは、▼同一年度に「200床以上増減」する▼同一年度に「2倍以上」または「2分の1以下」となる―ことを指します。

審査の結果、「分割後、複数のDPC病院となる」ことが認められた場合の係数については、▼基礎係数は「ベッド数変更前」の医療機関群のもの▼機能評価係数IIは「ベッド数変更前」のもの▼激変緩和係数は「ベッド数変更前」のもの—を適用します。

 
なお、別途お伝えする「費用対効果評価」の試行導入対象となった医薬品(7品目)、および当該医薬品の類似薬効比較方式で保険収載される医薬品については、DPC制度において「該当する診断群分類で、出来高算定とする」ことも了承されています(これまでの出来高算定となる高額な新薬とは別ルールです)。

費用対効果評価に基づく薬価調整が最終決定していないことから、今後、薬価が変動する可能性があり「DPCの新点数設定や分岐設定が困難になる」ためです。

費用対効果評価の試行導入対象となるなどして、DPCでも出来高算定となる薬剤
費用対効果評価の試行導入対象となるなどして、DPCでも出来高算定となる薬剤

優れたインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ錠」を緊急薬価収載

 3月7日の中医協では、A型・B型インフルエンザ治療薬の「ゾフルーザ錠」(成分名:バロキサビル マルボキシル)の緊急薬価収載が認められました。

 類似薬(イナビル吸入粉末剤)に比べて、「インフルエンザウイルスの排出期間が短く(1日程度、イナビルでは2-3日程度)、家族等への感染が防げることなどが期待される」などの有用性があることから5%の加算(有用性加算II)が行われたほか、「先駆け審査指定制度加算」(10%、「世界に先駆けてわが国で薬事承認を取得した革新的な医薬品」を経済的に評価する加算)が適用され、10mgでは1507.50円、20mgでは2394.50円に薬価が設定されました(1日薬価は4789円)。

緊急薬価収載される、A型・B型インフルエンザ治療薬のゾフルーザ錠
緊急薬価収載される、A型・B型インフルエンザ治療薬のゾフルーザ錠
 
 インフルエンザが猛威を振るう中で、重要な治療の選択肢となるため緊急薬価収載が行われたものです。ただし現在、2018年度改定に合わせて薬価改定も行われており、3月14日(予定)に収載される時点で早くも薬価が見直される可能性があります。

震災特例、2019年3月まで1年間延長することを決定

 また3月7日の中医協総会では、東日本大震災と平成28年熊本地震に伴う診療報酬の「被災地特例」(例えば「仮設建物による保険診療を認める」など)について、2019年3月31日まで1年間延長することが決まりました。

徐々に復興が進み、東日本大震災に関する特例(現在4医療機関に適用)については、1医療機関を残して「遅くとも2020年3月末には通常診療に戻れる」目途が、熊本地震に関する特例(現在5医療機関に適用)については全医療機関で「2019年3月末には通常診療に戻れる」目途が立ちましたが、1年後(2019年3月)の状況を見て、さらなる継続が必要かを判断します(状況報告は6か月後(2018年9月)にも行われる)。

 厚労省は、2019年3月31日までに通常診療に戻れない医療機関(東日本大震災の特例が適用されるうちの2医療機関)に対しても、「2019年3月31日までに通常診療に戻れるよう、取り組みを促していく」考えも示しています。

 
 なお、中医協総会には、次の3つの医療技術について先進医療として「保険診療と保険外診療の併用を認める」ことが報告されています。

(1)Stage IIIの下部直腸を除く大腸がん癌[結腸(C、A、T、D、S)、直腸S状部(RS)、上部直腸(Ra)]の治癒切除患者に対するアスピリン補助療法(国立がん研究センター中央病院で実施)

Stage IIIの下部直腸を除く大腸がん癌[結腸(C、A、T、D、S)、直腸S状部(RS)、上部直腸(Ra)]の治癒切除患者に対するアスピリン補助療法の概要
Stage IIIの下部直腸を除く大腸がん癌[結腸(C、A、T、D、S)、直腸S状部(RS)、上部直腸(Ra)]の治癒切除患者に対するアスピリン補助療法の概要
 
(2)内科的治療抵抗性の糖尿病を合併する重症肥満症(BMI35以上)に対する腹腔鏡下スリーブ状胃切除術および十二指腸空腸バイパス術(東北大学病院で実施)
内科的治療抵抗性の糖尿病を合併する重症肥満症(BMI35以上)に対する腹腔鏡下スリーブ状胃切除術および十二指腸空腸バイパス術の概要
内科的治療抵抗性の糖尿病を合併する重症肥満症(BMI35以上)に対する腹腔鏡下スリーブ状胃切除術および十二指腸空腸バイパス術の概要
 
(3)筋ジストロフィー心筋障害に対するTRPV2阻害薬内服療法(国立病院機構刀根山病院で実施)
筋ジストロフィー心筋障害に対するTRPV2阻害薬内服療法の概要
筋ジストロフィー心筋障害に対するTRPV2阻害薬内服療法の概要
 
 このうち(2)については、すでに保険収載されている「腹腔鏡下スリーブ状胃切除術」(K656-2【腹腔鏡下胃縮小術(スリーブ状切除によるもの)】:4万50点、2018年度改定でも変更なし)に、十二指腸空腸バイパス術を併せて実施し、前者の「摂食制限」と後者の「吸収制限」とで肥満の解消を目指すものです。ただし中医協総会では、診療側の松本純一委員(日本医師会常任理事)や今村聡委員(日本医師会副会長)は「侵襲が極めて大きく、腹腔鏡下スリーブ状胃切除術のみの実施に比べて合併症発症のリスクも高まるようだ。安易な実施は避けなければならない。患者の選択を慎重に行い、リスクやデメリットについて十分、分かりやすく説明する必要がある」と注意喚起しています。

 

 

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