200床以上で看護必要度II要件を満たさない場合、急性期一般入院料2・3は届出可能か―厚労省



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 お伝えしているように、厚生労働省が3月5日に、2018年度の診療報酬改定に関する説明会を開催しました。同日には改定関連の告示・解釈通知等発出も行われており、この内容も含めて詳細な説明が行われています。

 今回は、急性期一般入院基本料(7対1・10対1一般病棟入院基本料の再編・統合)に関して、新たに明らかになった部分を眺めてみます。

3月5日に開催された、2018年度の「診療報酬改定説明会」
3月5日に開催された、2018年度の「診療報酬改定説明会」

急性期一般入院料2・3、現在の7対1一般病棟からはダイレクトに移行可能

 入院基本料については、粗診粗療や非効率を避けるために「医療ニーズ」(例えば患者の重症度)と「医療提供内容」をマッチさせることが重要です。この観点に立って、2018年度改定では【看護配置に応じた基本部分】と【実績評価部分】とを組み合わせた報酬体系への大幅な見直しが行われました。

医療ニーズと、医療提供内容をマッチさせ、それを報酬で下支えすることが重要である
医療ニーズと、医療提供内容をマッチさせ、それを報酬で下支えすることが重要である
 
▼7対1・10対1一般病棟 → 【10対1看護配置の基本部分】+【重症患者割合に応じた実績部分】の急性期一般入院基本料(入院料)
▼13対1・15対1一般病棟 → 【15対1看護配置の基本部分】+【看護必要度測定に応じた実績部分】の地域一般入院基本料(入院料)
▼20対1・25対1の療養病棟 → 【20対1看護配置の基本部分】+【医療区分2・3患者割合に応じた実績部分】の(新)療養病棟入院基本料
7対1・10対1一般病棟入院料を重症患者割合を実績評価指標として再編・統合する。中間的評価となる急性期一般入院料2・3は、現行7対1相当の急性期一般入院料1などからしか転換できない
7対1・10対1一般病棟入院料を重症患者割合を実績評価指標として再編・統合する。中間的評価となる急性期一般入院料2・3は、現行7対1相当の急性期一般入院料1などからしか転換できない
改定説明会1の1 180305
 
 急性期一般入院基本料では、看護必要度評価の見直しと併せて、7対1と10対1の中間的評価となる「急性期一般入院料2」(1561点)と「急性期一般入院料3」(1491点)を新設した点が重要ポイントと言えますが、次の点に留意する必要があります。

(1)DPCのEF統合ファイルによる「看護必要度II」で重症患者割合を計算することが原則で、入院料2では「24%以上」、入院料3では「23%以上」の基準値が設定された
(2)ただし、許可病床数200床未満の病院では、▼例外的に、現在の「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度」評価票に基づく看護必要度Iでの計算も認める▼重症患者割合の基準値を、看護必要度Iでは入院料2「27%以上」、入院料3「26%以上」、看護必要度IIでは入院料2「22%以上」、入院料3「21%以上」に緩和する—との配慮規定を設ける
(3)急性期一般入院料2には「現行7対1相当の急性期一般入院料1から」、急性期一般入院料3には「急性期一般入院料1または3から」の移行しか認めない(届け出前3か月の実績が必要)

 このうち(1)は、現在の看護必要度評価票を用いる評価(看護必要度I)から、より客観的な評価であるDPCデータ(看護必要度II)への移行を推進するものと考えることもできそうです。また(2)は、2016年度の前回診療報酬改定で設けられた「許可病床数200床未満の7対1病院への配慮」を継続するものと言えます。

ところで既にお伝えしたように、看護必要度IIは「看護必要度IIの重症患者割合-看護必要度Iの重症患者割合<0.04」の基準をクリアする病院でなければ選択できません。すると、▼急性期一般入院料1の要件(看護必要度Iによる重症患者割合30%以上)を満たさない▼許可病床数200床以上である▼看護必要度IIの選択要件を満たさない―の全項目に合致する病院は、「急性期一般入院料2・3を届け出ることはできず、急性期一般入院料4を届け出ざるを得ないのではないか」とも思われます。この点について厚労省保険局医療課の担当者は「考え方を整理している」と述べるに止めており、今後の疑義解釈などを待つ必要がありそうです。
改定説明会1の3 180305
 
また(3)に関連して厚労省は、今年(2018年)3月末時点で「一般病棟7対1入院基本料の届出」または「病棟群単位の届出」を行っている病棟では、2年間(2020年3月末まで)、「継続3か月以上の急性期一般入院料1または急性期一般入院料1・2の算定要件を満たしている」と見做す、つまり「(3)の要件を満たす」と見做す、旨の経過措置規定を設けています。例えば、現在の7対1病院であれば、「一度、急性期一般入院料の届け出を行い、3か月間の実績をつくる」までもなく、ダイレクトに急性期一般入院料2・3への移行が可能となります。

さらに、今年(2018年)3月末時点で「許可病床数200床未満の7対1病院で、重症患者割合が23%以上25%未満である病棟」は、半年間(9月末まで)は「急性期一般入院料2の施設基準を満たす」との経過措置も置かれています。

急性期一般入院料2・3(7対1と10対1の中間的評価)について、さまざまな経過措置が設定されている
急性期一般入院料2・3(7対1と10対1の中間的評価)について、さまざまな経過措置が設定されている
 
新設の点数項目であり、医療現場から、今後さまざまな疑義が出てくると想定され、都度、厚労省が解釈等を示すことになるでしょう。

入院料の区分変更では随時の届出が必要、看護必要度II選択では提出データにも注意

 また届出に関して厚労省は、「急性期一般入院料の区分変更」と「看護必要度I・IIの切り替え」を次のように整理しています。

▼急性期一般入院料の区分変更を行う(例えば入院料1から入院料2へ変更)場合には、随時届け出が可能(かつ必要)である

▼急性期一般入院料の区分はそのままで、看護必要度I・IIの切り替えのみを行う場合には4月または10月にのみ届け出が可能(かつ必要)である

例えば、急性期一般入院料1を維持したまま、看護必要度IからIIへ切り替えることは4月または10月のみに可能です(後者)。一方、急性期一般入院料1で看護必要度Iを用いていた400床の病院が、要件を満たせないなどで急性期一般入院料2に区分変更する場合には、随時▼入院料の区分変更の届出▼看護必要度IからIIへの切り替えの届出(入院料2は原則、看護必要度IIとなるため)—をしなければいけません(前者)。

なお、看護必要度IIを届け出る(変更時も)場合には、「看護必要度Iの重症患者割合」と「看護必要度IIの重症患者割合」の双方を提出しなければいけません(前述の看護必要度II選択要件を満たしているかの確認)が、以降は「看護必要度IIの重症患者割合」のみの提出でよくなります。

在宅復帰率を見直し、「介護医療院との連携」が極めて重要に

 なお、現行7対1相当の急性期一般入院料1では、「在宅復帰・病床機能連携率が80%以上」という基準値(施設基準)も設けられます。

 現在の7対1でも「在宅復帰率が80%以上」という基準値があり、これを引き継ぐものですが、次の3点について見直しが行われます。

(1)名称を「在宅復帰率」から「在宅復帰・病床機能連携率」に変更し、地域包括ケア病棟・回復期リハビリ病棟の「在宅復帰率」と異なる指標であることを明確にする
(2)計算の分子に、新設される「介護医療院」を加える
(3)計算の分子に含まれる「療養病棟」や「介護老人保健施設」などについて、「在宅復帰機能強化加算などの算定」を求めないこととする

現行7対1の施設基準である「在宅復帰率」について、急性期一般入院料1への見直しに伴い「在宅復帰・病床機能連携率」に再生!地域包括ケア病棟・回復期リハビリ病棟の「在宅復帰率」とは峻別!
現行7対1の施設基準である「在宅復帰率」について、急性期一般入院料1への見直しに伴い「在宅復帰・病床機能連携率」に再生!地域包括ケア病棟・回復期リハビリ病棟の「在宅復帰率」とは峻別!

 このうち(1)は、「7対1病棟(4月からは急性期一般入院料1)では、自宅等への復帰だけでなく、後方病床等との連携が求められる」「地域包括ケア病棟などでは、自宅等への復帰機能が求められる」と考え方を整理したものです。それゆえ、別稿で述べるように地域包括ケア病棟・回復期リハビリ病棟の在宅復帰率では、計算の分子から「より後方の病床等」(療養病床や介護老人保健施設)が除外され、▼自宅▼居住系介護施設▼介護サービスを提供する有床診療所―のみが「在宅復帰先」として扱われます。

 また(3)は、「患者側からは、転院先が加算を算定しているかどうか分からない」という点を重視した見直しです。

 さらに(2)の介護医療院は、▼医療▼福祉▼住まい―の3機能を併せ持つ新たな介護保険施設です。住まいの機能を持っているため、例えば「在宅復帰先」として扱われ、医療の機能を持っているため、例えば「診療情報提供先」として扱われる点が注目されます。

急性期病院に限らず、医療機関においては、施設基準の確保(例えば在宅復帰・病床機能連携率の向上など)、診療報酬算定(例えば診療情報提供料(I)の療養情報提供加算)の双方の面から、「介護医療院との密接な連携」を確保することが極めて重要であることが分かります。

 

 

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