【18年度介護報酬改定答申・速報1】長時間の通所リハなど、基本報酬引き下げ―介護給付費分科会



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 1月26日に開催された社会保障審議会・介護給付費分科会で厚生労働省は、2018年度介護報酬改定案を示しました。

 介護サービスは、▼介護老人保健施設や新設される介護医療院のような施設系サービス▼有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)や認知症グループホーム(認知症対応型共同生活介護)のような居住系サービス▼通所リハビリテーションや通所介護のような通所系サービス▼訪問看護や訪問介護のような訪問系サービス―などと多岐にわたりますが、ここでは通所系サービスに焦点を当てます。

1月26日に開催された、「第158回 社会保障審議会 介護給付費分科会」
1月26日に開催された、「第158回 社会保障審議会 介護給付費分科会」

4時間以上の通所リハは、おおむね基本報酬ダウン

 通所リハビリテーション(デイケア)では、提供時間が「4時間以上」の場合の基本報酬の設定方法が、次のとおり「2時間刻み」から「1時間刻み」へと改められます(単位数はすべて要介護3の場合)。

【通常規模型】(事業所の前年度の平均利用延人数が月750人以内)
▼「4時間以上5時間未満」681単位/回(現在と比べて91単位・11.8%減)▼「5時間以上6時間未満」799単位/回(同27単位・3.5%増)▼「6時間以上7時間未満」924単位/回(同98単位・9.6%減)▼「7時間以上8時間未満」988単位/回(同34単位・3.3%減)

【大規模型(I)】(事業所の前年度の平均利用延人数が月751―900人)
▼「4時間以上5時間未満」667単位/回(同92単位・12.1%減)▼「5時間以上6時間未満」772単位/回(同13単位・1.7%増)▼「6時間以上7時間未満」902単位/回(同105単位・10.4%減)▼「7時間以上8時間未満」955単位/回(同52単位・5.2%減)

【大規模型(II)】(事業所の前年度の平均利用延人数が月901人以上)
▼「4時間以上5時間未満」645単位/回(同96単位・13.0%減)▼「5時間以上6時間未満」746単位/回(同5単位・0.7%増)▼「6時間以上7時間未満」870単位/回(同112単位・11.4%減)▼「7時間以上8時間未満」922単位/回(同60単位・6.1%減)

 どの規模の事業所でも「5時間以上6時間未満」の場合の基本報酬がアップするものの、その他の時間帯では報酬がすべて下がります。ただし、事業所が▼理学療法士等を「常時、利用者25人に対して1人以上」配置している▼後述する【リハビリテーションマネジメント加算】のいずれかの区分を算定している―を満たす場合には、3時間以上のリハビリテーションに【リハビリテーション提供体制加算】(新設)が加算されます。具体的には、▼「3時間以上4時間未満」12単位▼「4時間以上5時間未満」16単位▼「5時間以上6時間未満」20単位▼「6時間以上7時間未満」24単位▼「7時間以上」28単位―が加算され、手厚いリハビリを提供するデイケア事業所では「基本報酬のマイナス分が一定程度カバーされる」格好です。

上位区分創設などで、リハマネ加算が4区分に

 多職種による計画的なリハビリ管理を評価する【リハビリテーションマネジメント加算】が2区分から4区分へと細分化されます。算定要件は次のとおりで、現行の【リハビリテーションマネジメント加算(II)】を【リハビリテーションマネジメント加算(II)】と【リハビリテーションマネジメント加算(III)】に再編し、上位区分の【リハビリテーションマネジメント加算(IV)】を新設する格好です。

▼リハビリテーションマネジメント加算(I)(月330点):現行のリハビリテーションマネジメント加算(I)の要件(リハビリテーション計画の進捗を定期的に評価することなど)に加え、▽医師がリハビリテーションのたびに詳細な指示を行う▽3か月以上リハビリを継続する場合は、その理由をリハビリテーション計画書の備考欄に記載する―を満たす

▼リハビリテーションマネジメント加算(II)(6か月以内:月850単位/6か月以降:月530単位):現行のリハビリテーションマネジメント加算(II)の要件(リハビリテーション会議の開催など)に加え、▽医師がリハビリテーションのたびに詳細な指示を行う▽3か月以上リハビリを継続する場合は、その理由をリハビリテーション計画書の備考欄に記載する―を満たす。ただし、リハビリテーション計画に関する利用者への説明は、医師の代わりに理学療法士等が行う

▼リハビリテーションマネジメント加算(III)(6か月以内:月1120単位/6か月以降:月800単位):現行のリハビリテーションマネジメント加算(II)の要件に加え、▽医師がリハビリテーションのたびに詳細な指示を行う▽3か月以上リハビリを継続する場合は、その理由をリハビリテーション計画書の備考欄に記載する―を満たす

▼リハビリテーションマネジメント加算(IV)(6か月以内:月1220単位/6か月以降:月900単位):現行のリハビリテーションマネジメント加算(II)の要件に加え、▽医師がリハビリテーションのたびに詳細な指示を行う▽3か月以上リハビリを継続する場合は、その理由をリハビリテーション計画書の備考欄に記載する▽厚労省の「通所・訪問リハビリテーションの質の評価データ収集等事業」に参加する―を満たす

 ちなみに、現行の【リハビリテーションマネジメント加算(I)】は「月230単位」、リハビリテーションマネジメント加算(II)】は「6か月以内:月1020単位/6か月以降:月700単位」です。これら現行加算と比べて単位数が高い【リハビリテーションマネジメント加算(III)】や【リハビリテーションマネジメント加算(IV)】を算定できるかが、事業所の収支を大きく左右することになるでしょう。要件クリアに向けた取り組みを積極的に進める必要があります。

 なお、【リハビリテーションマネジメント加算(II)】などの算定要件にある「リハビリテーション会議の開催」に当たっては、関係者が顔を合わせることが原則ですが、医師に限り、携帯電話のテレビ電話機能などでの参加を認める要件緩和が行われます。

通所介護の基本報酬も1時間刻み、大規模事業所は報酬下げ

 通所介護(デイサービス)の基本報酬も、通所リハビリテーションと同様、1時間刻みへと改められます。例えば、「7時間以上9時間未満」の報酬は、次のように改められます(要介護1の場合を例示)。

【地域密着型】(事業所の利用定員18人以下)
▼「7時間以上8時間未満」735単位/回(現在と比べて増減なし)▼「8時間以上9時間未満」764単位/回(同29単位・3.9%増)

【通常規模型】(事業所の前年度の平均利用延人数が月301―750人)
▼「7時間以上8時間未満」645単位/回(同11単位・1.7%減)▼「8時間以上9時間未満」656単位/回(同増減なし)

【大規模型(I)】(事業所の前年度の平均利用延人数が月751―900人)
▼「7時間以上8時間未満」617単位/回(同28単位・4.3%減)▼「8時間以上9時間未満」634単位/回(同11単位・1.7%減)

【大規模型(II)】(事業所の前年度の平均利用延人数が月901人以上)
▼「7時間以上8時間未満」595単位/回(同33単位・5.3%減)▼「8時間以上9時間未満」611単位/回(同17単位・2.7%減)

 今年度(2017年度)の介護事業経営実態調査で、「通所介護事業所の規模が大きくなるほど収支差率が大きかった」ことから、規模が大きな事業所ほど基本報酬が低く設定されています(関連記事はこちら)。

通所介護事業所のアウトカム算出方法が明らかに

 基本報酬が引き下げられる分、規模が大きな通所介護事業所では、加算を取得できるかどうかが経営の鍵を握ります。この点、日ごろから、利用者の日常生活動作(ADL)の維持や向上に努めている事業所であれば、新設される【ADL維持等加算】の算定を目指すべきです。【ADL維持等加算】は2区分で、算定要件は次のとおりです。

▼【ADL維持等加算1】(月3単位):後述する「集団の要件」を満たす利用者集団が、後述する実績要件を満たす(4月から1年間算定可能)

▼【ADL維持等加算2】(月6単位):後述する「集団の要件」を満たす利用者集団が、後述する実績要件を満たす。さらに実績要件を満たした後も、事業所でBarthel Index(BI)を用いて利用者のADLを測定し、結果を保険者に報告する(4月から1年間算定可能)

【集団の要件】
▼「前年(1―12月)に事業所を6か月以上続けて利用し、過半数で5時間以上利用していた要介護者」20名以上で構成される
▼15%以上が、「前年初めて事業所を利用した時点で要介護度3・4・5だった者」である
▼85%以上が、「前年初めて事業所を利用した月までに、要介護認定を初めて受けた月から1年以上経過した者」である

【実績要件】
▼集団に含まれる利用者のADLを、「前年初めて事業所を利用した月」と「6か月目」に、機能訓練指導員がBIを用いて測定している
▼集団に含まれる利用者の9割以上について、ADL測定結果を保険者に報告している
▼報告された測定結果を用いて、「前年初めて事業所を利用した月」から「6か月目」までにADLがどれだけ改善・低下したか確認し、ADLが低下した利用者15%を除いた上で、改善した利用者数と低下した利用者数を比べた結果が「改善した利用者数≧低下した利用者数」である

 【ADL維持等加算】には、「利用者のADL低下を防ぐための事業所の取り組み」を後押しする狙いがあり、「前年初めて事業所を利用した時点で要介護度3・4・5だった者」などの要件は、ADLを改善しやすい利用者ばかりを入所させる事業所が現れる(クリームスキミング)ことを防ぐために設けられます。

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