2025年に向けて、地域の医療・介護提供体制の再構築を最大限支援する―加藤厚労相



Pocket

 2025年に向けて、地域医療構想の実現、医師偏在の解消、働き方改革の実現、地域包括ケアシステムの構築などに国を挙げて取り組んでいく—。

四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)が1月12日に開いた2018年の賀詞交歓会で、加藤勝信厚生労働大臣はこのような考えを述べました(昨年の模様はこちら、一昨年の模様はこちら)。

1月12日の四病協賀詞交歓会で、来賓として挨拶した加藤勝信厚生労働大臣
1月12日の四病協賀詞交歓会で、来賓として挨拶した加藤勝信厚生労働大臣

医療・介護ニーズの多様化に対応するため、医療・介護提供体制の再構築が不可避

 2025年には、いわゆる団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となるため、今後、医療・介護ニーズが飛躍的に高まるとともに、そのニーズが多様化していきます。加藤厚労相は、この多様なニーズに対応するために「地域の医療・介護提供体制を再構築していかなければならない」点を強調。

さらに、今年(2018年)は、▼新たな医療計画、介護保険事業(支援)計画がスタートする▼6年に一度の診療報酬・介護報酬同時改定が行われる—という重要な節目の年となるため、次のような施策を通じて、2025年に向けた医療・介護提供体制の再構築を、国を挙げて支援していくことを強く訴えました。

▼地域医療構想の実現に向けて、データ分析を推進し、医療提供における役割分担(機能分化)の好事例を共有するとともに、地域医療介護総合確保基金をはじめとして、進捗状況に応じたきめ細かな支援を行う

▼医師偏在という大きな課題に対応するために、都道府県が主体的に医師確保を行える体制を確保し、医師の地方勤務を後押しできるように、今通常国会に医療法等の改正案を提出する

▼医師の働き方改革を実現するために、地域医療への影響を考慮した上で、関係者の議論を深化させていく

▼2018年度の診療報酬・介護報酬改定において、地域包括ケアシステムの構築、医療・介護連携の推進、ICT活用も含めた医療現場の負担軽減などによって、質の高い効率的な医療提供体制を再構築する」ことになります。

保険医療サービスに係る消費税問題、抜本解決を求める

また日本医師会の横倉義武会長の代理として来賓挨拶を行った今村聡副会長は、四病院団体協議会と日本医師会とがこれまで以上に連携し、「医政を正し、国民の信頼の応えていかなければならない」と訴えました。

1月12日の四病協賀詞交歓会で、日本医師会の横倉義武会長の代理として挨拶をした今村聡副会長
1月12日の四病協賀詞交歓会で、日本医師会の横倉義武会長の代理として挨拶をした今村聡副会長
 
とくに保険医療サービスへの消費税問題について、来年(2019年)10月には消費税率が10%に引き上げられ、このままでは医療機関の負担がさらに増してしまうことから、「抜本解決を主張していく」考えを強調しています。医療機関が購入する物品やサービスについては消費税が「課税」されますが、医療機関が患者に提供する保険医療サービスでは消費税が「非課税」となっているため、医療機関が負担した消費税は、最終消費者となる患者・保険者に転嫁することはできません。このため、消費税導入時・消費税率引き上げ時には、特別の診療報酬プラス改定で対応されてきましたが、医療現場からは「医療機関の消費税負担を十分に賄えていない」との強い批判があります。消費税率が引き上げられれば、医療機関の消費税負担はさらに重くなるため、経営がさらに厳しくなってくるのです。日医らは「保険医療サービスについて、消費税をゼロ%で課税し、医療機関が収めた消費税が償還される仕組みを設けるべき」ことなどを提案しており、今後の税制改革論議がさらに熱を帯びてきそうです。

自院の等身大の姿を見極め、地域の事情も踏まえながら、地域での役割を考える

さらに、主催者として挨拶した日本病院会の相澤孝夫会長は、今年(2018年)を「将来に向けた改革の重要な第一歩である」と位置づけ、▼自院の等身大の姿をきちんと見極める▼周辺がどのような状況になっているかをきちんと把握する▼時代の潮流を見て、自院が地域で何をしなければならないかをしっかりと考える—という3つの取り組みに、覚悟をもって踏み出さなければならないと、出席者に檄を飛ばしました(関連記事はこちらこちら)。

1月12日の四病院団体協議会賀詞交歓会で、主催者として挨拶した日本病院会の相澤孝夫会長(写真中央)。写真向かって左は全日本病院協会の猪口雄二会長、向かって右は日本医療法人協会の加納繁照会長
1月12日の四病院団体協議会賀詞交歓会で、主催者として挨拶した日本病院会の相澤孝夫会長(写真中央)。写真向かって左は全日本病院協会の猪口雄二会長、向かって右は日本医療法人協会の加納繁照会長

 

 

MW_GHC_logo

 

【関連記事】

2017年、我が国のヘルスケアシステムの設計思想変革をテストする―塩崎厚労相
アベノミクスの目的は「人生を豊かにする」こと、経済再生は手段である―安倍首相

適切なデータから、各病院が「地域の状況」と「等身大の姿」を把握してほしい―日病・相澤会長インタビュー(1)
病院の機能分化・連携を進め、効率的でやさしさを備えた医療提供体制を構築―日病・相澤会長インタビュー(2)

Pocket