2018年度改定、入院料の再編・統合、かかりつけ機能の評価拡充などが柱に―中医協総会 第382回(3)



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 2018年度の次期診療報酬改定では、▼一般病棟入院基本料・療養病棟入院基本料などを再編統合する▼退院支援加算を「入退院支援加算」と改称し、予定入院患者への入院前からの支援を評価する▼かかりつけ医機能を推進する観点から、地域包括診療料等について要件緩和などを行う▼在宅患者訪問診療料について、複数の診療科の医師による訪問診療が可能となるよう、評価を見直す―。

 厚生労働省保険局医療課の迫井正深課長は、これまでの改定論議をこのように整理し、1月10日の中央社会保険医療協議会・総会に提示しました(厚労省のサイトはこちら)。

 すでにメディ・ウォッチでお伝えしている内容とも重複しますが、2018年度改定の全体像を眺めるために、ポイントを絞って見ていきましょう。

1月10日に開催された、「第382回 中央社会保険医療協議会 総会」
1月10日に開催された、「第382回 中央社会保険医療協議会 総会」

入院・外来の機能分化を図るとともに、かかりつけ機能などの評価を充実

 今回の「議論の整理」は、中医協総会で昨年(2017年)1月から行われてきた入院・外来・在宅・医療介護連携などに関する改定の論議を、基本方針に掲げられた4本柱に沿ってまとめたものです。

まず1つ目の柱である「地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進」については、入院医療の再編、かかりつけ医機能等の推進など、2018年度改定の「目玉」と言える項目が目白押しですが、あえてポイントを絞るとすれば、次のような項目があげられます。

▼患者の状態に応じた入退院支援や医療連携を推進する観点から、退院支援加算を【入退院支援加算】と改称し、▽予定入院患者への入院前からの支援の評価▽「入院早期から福祉等の関係機関との連携が必要な者」が算定対象に含まれることの明確化▽小児専門医療機関や病棟にも対応できるような要件への見直し▽地域連携診療計画加算の算定対象病棟拡大―などを行う

▼かかりつけ医機能を推進する観点から、地域包括診療料等について▽患者の同意手続きなどの緩和▽継続的に受診していた患者が通院困難となった場合の訪問診療実績の評価充実▽院外処方を行う場合での一元的な服薬管理等の取扱い明確化―などを行う

▼小児かかりつけ診療料の夜間・休日対応に関する要件について、「地域の在宅当番医制等に協力する」医師については、地域の在宅当番医との連携でも可能とするよう緩和する

▼一般病棟入院基本料や療養病棟入院基本料等について、「急性期医療」「急性期医療から長期療養」「長期療養」の3つの機能について、入院医療の基本的な診療に係る評価(基本部分)と、診療実績に応じた段階的な評価(実績部分)とを組み合わせた評価体系に再編・統合する

▽一般病棟入院基本料(7対1から15対1)について新たに、【急性期一般入院料】、【地域一般入院料】(いずれも仮称)とする

▽急性期の実績部分の評価指標は、まず重症度、医療・看護必要度該当患者割合(重症患者割合)を用いるが、医療機関が一定の要件を満たす場合には、判定について診療実績データ(DPCデータ)を用いた判定方法を選択可能とする

▽療養病棟入院基本料について、20対1看護配置を要件とした【療養病棟入院料】(仮称)に一本化し、医療区分2・3の該当患者割合に応じた評価に見直す

▽現行の療養病棟入院基本料2は、【療養病棟入院料】の経過措置と位置付け、最終的な経過措置の終了時期は次期改定時に改めて検討し、経過措置期間をまずは2年間とする

▽地域包括ケア病棟入院料について、「在宅医療」「介護サービスの提供」などの地域で求められる多様な役割・機能を有している場合について評価を行い、救急・在宅等支援病床初期加算の評価見直し(在宅等からの入院と急性期病棟からの転院・転棟で区別)などを行う

▽回復期リハビリテーション病棟入院料について、アウトカム指標(リハビリ提供による日常生活動作の改善:実績指数)などに応じた評価を推進する

▼在宅患者訪問診療料について、在宅療養患者が複数疾病等を有しているなどの現状を踏まえ、「複数の診療科の医師による訪問診療」が可能となるよう、評価を見直す。また、地域で複数の医療機関が連携して24時間体制の訪問診療を提供する場合の在宅時医学総合管理料等の評価を新設する

▼訪問診療のターミナルケアに係る評価などについて、「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」等も含めた対応をすることを要件とする

▼医療機関を含む関係機関等が連携し、患者の希望に沿った看取りを入院医療機関で行った場合も、入院するまでの間、当該患者に訪問診療を行っていた医療機関の「看取り実績」、訪問看護の「ターミナルケア実績」となるよう、取扱いを見直す

がん・認知症・難病などの対策を進め、より質の高い医療提供を目指す

 2つ目の柱である「新しいニーズにも対応でき、安心・安全で納得できる質の高い医療の実現・充実」は、がん医療や認知症対策など重点対応が求められる医療分野における「新点数創設」「点数引き上げ」などが盛り込まれています。

 がん医療では、▼緩和ケア病棟入院料における「待機期間を踏まえた要件」設定▼がんゲノム医療中核拠点病院を踏まえた、がん拠点病院加算の算定要件見直し―、認知症対策では、▼「認知症等の患者が一定割合以上入院する」地域包括ケア病棟について、夜間の看護職員配置の評価▼連携型認知症疾患医療センターとかかりつけ医が連携した取組の評価—などが行われます。

 また難病対策に関しては、▼遺伝学的検査の評価拡充▼スティーブンス・ジョンソン症候群等へのコンタクトレンズを使用した治療法の保険適用―のほか、情報通信機器を活用した難病外来指導管理の評価も盛り込まれました。

 さらに小児医療や周産期医療では、▼妊娠の継続や胎児に配慮した適切な外来診療を評価するため、初診料等における【妊婦加算】(仮称)の新設▼二次救急外来における夜間看護体制の評価の新設▼二次救急外来における院内トリアージの評価充実—を、医療安全・感染症対策では、▼感染防止対策加算について「抗菌薬適正使用支援チームの取組に係る加算」の新設▼地域包括診療料等における「抗菌薬の適正使用に関する普及啓発に努めている」ことなどの要件化▼小児科外来診療料・小児かかりつけ診療料における「抗菌薬の適正使用に関する普及啓発に努めている」ことなどの要件化と評価の新設▼医療安全対策加算について、「医療安全対策に関する医療機関の連携」に対する評価の新設—などが実施されることになります。

少子化が進む中では、「効率的な医療提供」の視点が必要不可欠

3つ目の「医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進」という柱は、少子化が進む我が国において質の高い医療を継続的に提供するために欠かせない視点です。

例えば、▼医療従事者の勤務環境に関する取組推進に向けた総合入院体制加算等の要件見直し▼医師を始めとした「常勤配置」の要件緩和▼急性期一般入院料の「中間的評価」病棟における、夜間看護職員配置の評価▼感染防止対策加算や退院時共同指導料等について、連携会議や情報共有等にICT活用を可能とするような要件緩和▼オンライン診察・医学管理の評価―などが目立ちます。

また4つ目の柱である「効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の強化」は、医療費の膨張を抑えるための項目と言えます。

「後発医薬品の使用促進」など、ダイレクトに医療費縮減を目指す項目ばかりでなく、入院医療の機能分化(入院基本料などの再編・統合)、外来医療の機能分化(紹介状なしに大病院外来を受診した場合の特別負担拡充や、かかりつけ医機能の評価)、費用対効果評価の導入なども盛り込まれており、これらが医療費適正化に重要な役割を果たすであろうことが確認できます。

中医協では、これから1か月弱の間、2018年度改定に向けた最終調整論議(いわゆる「短冊」に基づく議論)を行い、2月上旬に新点数表・施設基準を決定することになります。

 

 

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