潰瘍性大腸炎の診断補助する新検査法を12月から保険収載—厚労省



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 今年(2017年)6月に保険収載された、潰瘍性大腸炎(指定難病の1つ)の病態把握を目的とする、D014【自己抗体検査】の18【カルプロテクチン(糞便)】について、従前のELISA法に加えて、新たにFEIA法で実施した場合も保険請求を認める―。

厚生労働省は11月30日に通知「検査料の点数の取扱いについて」を発出し、こういった点を明らかにしました(厚労省のサイトはこちら(通知)こちら(中医協資料))。12月1日から適用されています。新手法は、従来法よりも幅広い目的を射程としています(算定対象となるケースが広い)。

新検査法は「慢性的な炎症性腸疾患の診断補助」にも用いることが可能

指定難病の1つである潰瘍性大腸炎(告示番号97)については、炎症が生じている腸上皮で「好中球がカルプロテクチンというタンパク質を放出している」ことが知られています。そこで、今年(2017年)6月に、糞便中のカルプロテクチン量を測定するための検査が保険収載されました(D014【自己抗体検査】の18【カルプロテクチン(糞便)】)

今般、カルプロテクチン量を測定するための、新たな手法(FEIA法、蛍光酵素免疫測定法)が開発され、従来の手法(ELISA法、酵素免疫測定法)と並んで保険収載されることになりました。新手法では、「潰瘍性大腸炎の病態把握補助」だけでなく、「炎症性腸疾患の診断補助」にも有効です(11月22日の中央社会保険医療協議会総会で承認)。
 
 具体的には、D014【自己抗体検査】の18【カルプロテクチン(糞便)】について、「潰瘍性大腸炎の病態把握」を目的として実施する場合には、従来の「ELISA法」に加え、新たな「FEIA法」を用いても保険請求が可能となります(原則、3か月に1回を限度として276点を算定可能)。

また、FEIA法を用いたカルプロテクチン測定は、「慢性的な炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)の診断補助」を目的とする場合でも保険請求が可能です。対象となるのは、▼腸管感染症が否定されている▼下痢、腹痛や体重減少などの症状が3か月以上持続する▼肉眼的血便が認められない―という点を満たし、「慢性的な炎症性腸疾患が疑われる」患者で、「内視鏡前の補助検査」として実施する場合のみ保険請求でき、診療録とレセプトの摘要欄にその要旨を記載することが必要です。

なお、上記のいずれかの目的(「潰瘍性大腸炎の病態把握」あるいは「慢性的な炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)の診断補助」目的)で、本検査と、D313【大腸内視鏡検査】を同一月中にあわせて実施した場合には、「主たるもの」のみ算定できます。

 

 

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