抗がん剤ボルテゾミブ、新たに原発性マクログロブリン血症などの治療にも使用可能に―厚労省



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 多発性骨髄腫やマントル細胞リンパ腫の治療に用いる「ボルテゾミブ」(販売名:ベルケイド注射用3mg)について、新たに「原発性マクログロブリン血症」および「リンパ形質細胞リンパ腫」の治療に使用することを保険診療上認める—。

 厚生労働省は9月8日に通知「公知申請に係る事前評価が終了した医薬品の保険上の取扱いについて」を発出し、こうした点を明らかにしました。同日から保険適用されています(厚労省のサイトはこちら)。

従前の多発性骨髄腫などとは異なる用法・用量を設定

 「先進諸国で使用できる医薬品が我が国では使用できない」という、いわゆるドラッグラグの解消が重視され、厚労省は、例えば「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、我が国では未承認・適応外となっている医薬品について、製薬メーカーに開発要請を行う、といった対策をとっています。

また未承認・適応外薬の開発を促進するために、2010年度の薬価制度改革で新薬創出・未承認薬解消等促進加算が設け、財源的な裏付けにも力を入れています。さらに、医療保険サイドからドラッグラグ解消に、より強力にアプローチするために、2010年8月25日の中央社会保険医療協議会総会で「従前、適応外使用とされていた医薬品であっても、薬事・食品衛生審議会(薬食審)の事前審査で『公知申請を行っても差し支えない』と判断された場合には、翌日から自動的に保険収載する」というルールが了承されました。

 保険診療において、医薬品は効能・効果が認められた傷病の治療にしか認められず、「新たな傷病の治療に効果がある」と考えられる場合には、治験などを実施してエビデンスを揃え、薬食審で効能・効果追加の承認を得るのが原則です。安全性・有効性が確保されていない治療を、貴重な公的財源(保険料、税)で賄うことは好ましくないからです。しかし、この原則をあまりに厳格に守れば、エビデンスの確保、審査などに必要な時間を考慮すれば、「今、疾病と闘っている患者」が医薬品にアクセスするチャンスをつぶしてしまうことにもなりかねません。

 そこで中医協では、両者のバランスに配慮し上記のルールを創設したものです。海外の論文など(公知)で一定の有効性・安全性が確保され、それを基に薬食審の事前審査で「公知申請を認めて良い」と判断された場合、原則として後に効能・効果追加が認められている実態に鑑みた特例ルールと言えます。

 今般、この特例ルールにより、「ボルテゾミブ」(多発性骨髄腫やマントル細胞リンパ腫で効能・効果が認められている)について、新たに▼原発性マクログロブリン血症▼リンパ形質細胞リンパ腫―の治療に用いることが保険診療上可能となりました。

厚労省は、原発性マクログロブリン血症・リンパ形質細胞リンパ腫の治療に用いる場合には、▼「通常、成人に1日1回、体表面積1平方メートル当たり1.3mgを1日目・4日目・8日目・11日目に静脈内または皮下に投与した後、10日間(12-21日目)休薬する」という3週間を1サイクルとし、投与を繰り返す▼本剤は最低72時間空けて投与する—との用法・用量も設定する考えです。従前の多発性骨髄腫・マントル細胞リンパ腫の用法・用量とは異なりますので、留意が必要です。

  

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