2016年末、全看護師の3.7%が訪問看護ステーションに勤務―厚労省



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 2016年末時点で、就業している看護師は114万9397人で、2年前に比べて6万2618人・5.8%増加した。また人口10万人に対して905.5人となり、同じく50.3人増加した。また訪問看護ステーションに勤務する看護師は4万2245人で、看護師全体の3.7%となり、2年前に比べて0.3ポイント増加した—。

こういった状況が、厚生労働省が13日に公表した2016年の「衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」から明らかになりました(厚労省のサイトはこちら(2016年の概況)こちら(2年前の2014年の概況))。

訪問看護ステーションに勤務する看護師の割合は、2年前に比べて0.3ポイント増加

2016年末時点における就業保健師などの人数を見ると、▼保健師5万1280人(2年前に比べて2828人・5.8%増加)▼助産師3万5774人(同1818人・5.4%増加)▼看護師114万9397人(同6万2618人・5.8%増加▼准看護師32万3111人(同1万7042人・5.0%減少)―となっています。

また人口10万対では、▼保健師40.4人(同2.3人・6.0%増加)▼助産師28.2人(同1.5人・5.6%増加)▼看護師905.5人(同50.3人・5.9%増)▼准看護師254.6人(同13.1人・4.9%減)―という状況です。准看護師の減少は、看護師(正看護師)への移行が進んでいることなどが背景にあります。

2016年末における就業保健師・助産師・看護師・准看護師の実人員は、准看護師を除き、2年前に比べて5%程度増加している
2016年末における就業保健師・助産師・看護師・准看護師の実人員は、准看護師を除き、2年前に比べて5%程度増加している
 
次に就業看護師が、どこで勤務しているのかを見てみましょう。実人員ベースでは、▼病院72.2%(82万9488人)▼診療所12.6%(14万4522人)▼介護保険施設6.9%(7万9663人)▼訪問看護ステーション3.7%(4万2245人)▼社会福祉施設1.4%(1万6399人)▼看護師等学校養成所または研究機関1.4%(1万6120人)―などとなりました。常勤換算数ベースでは、▼病院75.4%(79万6830.6人)▼診療所10.9%(11万4770.6人)▼介護保険施設6.1%(6万4791.3人)▼訪問看護ステーション3.3%(3万5373.6人)▼看護師等学校養成所または研究機関1.5%(1万5486.2人)▼社会福祉施設1.3%(1万3624.9人)―などという状況です。
2016年末、訪問看護ステーションに勤務する看護師は、実人員ベースで全看護師(就業看護師)の3.7%、常勤換算数ベースで3.3%となり、いずれも2年前に比べて0.3ポイント増加した
2016年末、訪問看護ステーションに勤務する看護師は、実人員ベースで全看護師(就業看護師)の3.7%、常勤換算数ベースで3.3%となり、いずれも2年前に比べて0.3ポイント増加した
 
訪問看護ステーションに勤務する看護師は、2年前の調査に比べて実人員ベースで0.3ポイント(5799人)、常勤換算数ベースで0.3ポイント(5254.1人)増加しています。しかし、2025年に向けて慢性期医療・介護ニーズが爆発的に増加し、地域包括ケアシステムの構築が急がれる中で、心もとない数字と言わざるを得ません。厚労省は、2015年度の前回介護報酬改定、2016年度の前回診療報酬改定で「訪問看護に従事する看護師を育成する観点」も踏まえ、病院・診療所から行う訪問看護の報酬を引き上げています(関連記事はこちらこちらこちら)。これらの効果はまだ十分には現れていないようですが、2018年度の診療報酬・介護報酬でのさらなる対応にも期待が集まっています(関連記事はこちらこちらこちら)。

人口10万人当たりの看護師数、最多の高知と最少の埼玉で2.2倍の開き

また都道府県別に、人口10万人対の就業看護師数を見ると、最も多いのは高知県で1409.0人(2年前に比べて94.6人増)。ほか、鹿児島県1311.1人(同95.5人増)、佐賀県1277.7人(同77.7人増)と続きます。逆に最も少ないのは埼玉県で636.8人(同67.9人増)。ほか、千葉県673.5人(同48.4人増)、神奈川県686.6人(同14.2人増)となっています。

2016年末の人口10万対看護師数を都道府県別に見ると、最多の高知と最少の埼玉では2.2倍の開きがある
2016年末の人口10万対看護師数を都道府県別に見ると、最多の高知と最少の埼玉では2.2倍の開きがある
 
最多の高知県と最少の埼玉県では2.2倍の開きがあり、またトップ3、ワースト3の顔ぶれは2年前と変わっていません。もっとも医療機関の施設数などと近似した分布になっており、今後、地域医療構想の実現に向けた取り組み(地域医療構想調整会議の議論に基づく機能分化など)が進む中で、こうしたバラつきにも変化が出てくる可能性があります。

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