混合介護のルール明確化、支払基金のレセプト審査一元化・支部の集約化を進めよ—規制改革会議



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定期巡回随時対応型訪問介護看護などを推進するために人員基準の緩和を行うとともに、介護保険サービスと保険外サービスとの併用を進めるために、両サービスの連続的な提供に係るルールの明確化などを図る必要がある。また社会保険診療報酬支払基金の「支部の統合・集約」「審査の一元化」を推進するために、早急に結論を得る必要がある—。

規制改革会議は23日、このような内容を盛り込んだ第1次答申「規制改革推進に関する第1次答申―明日への扉を開く—」を取りまとめ、安倍晋三内閣総理大臣に提出しました(内閣府のサイトはこちら)。

介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせるルールの明確化を

規制改革会議は、首相の諮問機関として2016年9月に発足。今般、これまでの議論結果を取りまとめた「会議としての第1次答申」を取りまとめました。社会保障分野に関しては、「制度の持続可能性」と「国民が必要なサービスの効果的・効率的な提供」とを両立するために、従来の規制を「国民目線で絶えず見直し、改革する必要がある」と強調。とくに「介護サービス改革」を強く求めています。

介護サービス改革の内容は、大きく次の4点。

(1)介護サービス利用者の選択に資する情報公表制度および第三者評価の改善

(2)介護保険内・外サービスの柔軟な組み合わせの実現

(3)介護サービス供給の在り方の見直し

(4)介護事業の展開促進・業務効率化の促進

 
このうち(2)においては、介護保険制度では「保険サービスと保険外サービスとの併用が認められている」ものの、その場合には「両者を明確に区分する」ことが必要となっており、そのルールが不明確である点が、両者併用(混合介護)の障壁になっているといった問題点があると指摘。次のような見直しを行うよう強く求めています。

▼訪問介護において、保険サービスと保険外サービスとの柔軟な組み合わせを実現するために、「組み合わせに係るルールの明確化」(連続的提供におけるルールの明確化も含めて)を本年度(2017年度)中に検討し、結論を得る

▼訪問介護において、保険サービスと保険外サービスとを同時一体的に提供する際に問題とされる▽自立支援・重度化防止の阻害▽保険給付増加の呼び水化▽適切なマネジメント—などについて本年度(2017年度)に検討を開始する

▼通所介護において、事業所への送迎の前後、または送迎と一体的な保険外サービスの提供に関する法令解釈の明確化を本年度(2017年度)に検討し、結論を得る

▼通所介護提供中の利用者に対する保険外サービス提供ルールの在り方について、本年度(2017年度)に検討し、結論を得る

▼介護職員の指名料や、時間指定料を介護保険の利用者負担に上乗せすることについて、本年度(2017年度)に論点整理を行う

定期巡回随時対応サービスにおけるオペレーター兼務の適否などを検討

一方、(4)では整備が進まないと指摘される定期巡回随時対応型訪問介護看護について、「日中におけるオペレーターと介護職員との兼務」の適否について、2018年度の介護報酬改定に向けて議論し、結論を得るよう指示(関連記事はこちら)。

また小規模多機能型居宅介護について、「登録者以外への訪問サービス提供」の適否についても、同様に議論するよう求めています(関連記事はこちら)。

利用者が介護事業者を比較検討できるよう、情報公表システムの改善を

また(1)では、例えば介護サービス情報公表システムには「利用者が掲載情報を理解して、介護事業者を比較検討することが困難」という課題があり、十分に活用できていない点などを指摘。次のような見直しを行うよう求めています。

▼介護サービス情報公表システムについて、利用者の選択に資する機能(各種サービスを組み合わせて利用する場合の総費用の簡易な試算機能など)について本年度(2017年度)に検討し、結論を得て、2018年度上期に措置する

▼福祉サービス第三者評価事業の受審率向上に向けて、▽事業の意義を明らかにして、受審率の数値目標を設定・公表することについて、本年度(2017年度)に検討し、結論を得て、2018年度上期に措置する。また本年度(2017年度)に都道府県別の受審率を公表する

 
さらに(3)では、本年度(2017年度)に作成する第7期介護保険事業(支援)計画において、ニーズを反映した的確なサービス量見込みと、それを確保するための方策を記載することなどを指示しています。

 
今後、社会保障審議会の介護保険部会(介護保険制度見直しを議論する)、や介護給付費分科会(介護報酬について議論する)で、具体的な検討が行われることになります。

支払基金の都道府県支部、集約・統合に向けた検討を早急に進めよ

また規制改革会議は、社会保険診療報酬支払基金(以下、支払基金)改革についても改めて言及しています。

支払基金は、被用者保険(健康保険組合や協会けんぽ、共済組合)のレセプトを審査し、医療費を支払う役割を担っています。規制改革会議は、現在の支払基金について、審査事務体制が非効率であり、かつ統一化されていないため、例えば「審査基準に不合理な地域差がある」といった問題点があることを指摘。昨年(2016年)2月に▼医師関与の下で、全国統一的かつ明確な判断基準を策定する▼支払基金の業務を点検し、不要・非効率な業務を削減する▼審査・支払について民間企業などの活用を検討する▼「支払基金が担うことが適切な業務」があれば、具体的な組織・体制等の在り方(体制、業務範囲、法人形態、ガバナンス体制、事務費負担など)を検討する―よう、厚労省に指示しています。

この指示を受け、厚生労働省の「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」を設置し、昨年(2016年)末に、▼支払基金のシステム刷新計画を全面的に見直し、2020年度中に新システムを実施する▼審査支払機関(支払基金と国民健康保険団体連合会)のコンピュータチェックルールを公開し、レセプト請求前に医療機関でのチェックを可能とする—ことなどを柱とする報告書をまとめましたが、支部の集約化・統合化などに関しては、「抜本的な見直しを求める」意見と「現行体制の継続を求める」意見との両論があったことを併記するにとどめています(関連記事はこちらこちらこちら)(厚労省のサイトはこちら)。

この点、規制改革会議は「支払基金の在り方をゼロベースで見直す指示は閣議決定に基づくものである」ことを強調し、「支部の集約化・統合化」について本年度(2017年度)中に検討し、結論を得るよう改めて強く求めています(関連記事はこちら)。

さらに、審査の一元化についても厚労省検討会の報告書で、「一元化を進めるべき」との意見と「現状を維持するべき」との意見の両論併記になっている点を批判し、本年度(2017年度)中に、▼審査委員会の審査内容を見える化し、地域における具体的な差異を把握する▼データに基づき、支払基金本部で専門家が議論する体制を整備し、エビデンスに基づき審査内容の整合性・客観性を担保する—ことについて検討し、結論を得るよう指示しました。

このほか、▼支払基金のコンピュータシステムについて、業務の機能ごとに分解し、それぞれを標準的な方式を使って組み合わせることで最適な全体システムを作り上げる方式を採用する(支払基金業務効率化計画・工程表に盛り込む)▼コンピュータチャックに適したレセプト形式への見直しを行い、システム刷新を実施する—点についても要望。前者では、厚労省検討会が打ち出したとおり「レセプトの入力ミスなどに医療機関自らが対処できるよう、支払基金のコンピュータチェック機能を提供する」仕組みを構築することなどにも言及しています(関連記事はこちら)。

 

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