公立病院、今後3年程度で事業の広域化や経営統合・再編を加速せよ—経済財政諮問会議



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 公立病院について、今後3年程度の間に、▼経営体制の見える化や外部人材登用の制度化▼事業の広域化や経営統合・再編の加速化▼新公立病院改革プランの策定促進と、病床再編などと地域医療構想との関係性の明示▼不採算地区以外の病院に対する繰出金への依存減―などを行う必要がある—。

 11日に開催された経済財政諮問会議では、民間議員からこのような提言が行われました。

小規模の公立病院、不採算地区以外では繰出金を減らせ

 公立病院や水道事業などの地方公営企業については、小規模多数の事業体という特徴があり、資金や人材の不足が大きな課題となっており、公営企業繰出金が3兆円規模に膨らんでいます。

 諮問会議の民間議員は、この繰出金が地方財政を圧迫していることから、KPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)を設定した上で、今後3年程度の間に次のような取り組みを加速する必要があると訴えています。

▼経営マネジメント強化の観点から、「経営体制の見える化」や「外部人材の登用」を制度的に促す

▼経営戦略などの策定を促すとともに、構造改革の進捗状況と効果をチェックする

▼事業の広域化や経営統合・再編を加速する。その際、課題となる「事業体間の経営力格差」を乗り越えて再編・統合を進める先進事例の横展開を図る(関連記事はこちら

▼総務省は策定の遅れている新公立病院改革プランの策定を促し(関連記事はこちら)、病床再編などの地域医療構想との関係性をしっかり明示する

▼不採算地区以外の病院については、繰出金への依存をより減らす

 

 公立病院と私的病院とで医業収支比率を比較すると、とりわけ小規模の公立病院で医業収支比率が低い実態があると民間議員は指摘。さらに、不採算地区(2014年度では、「150床未満の一般病院で、最寄りの一般病院まで15km以上」または「150床未満で人口集中地区以外に所在」)以外の病院では、「他会計繰入金対医業収益比率」が、公立病院全体に比べて2ポイント近くなっていることなども勘案し、上記のように「繰出金への依存を減らす」よう求めています。

公立病院と私的病院を比較すると、公立病院のほうが医業収支比率が低く、小規模でその傾向がより強い
公立病院と私的病院を比較すると、公立病院のほうが医業収支比率が低く、小規模でその傾向がより強い
 

 今後、地域医療構想調整会議が各地で開かれ、病院・病床の機能分化・連携に向けた具体的な議論が進められます。そこでは、まず「公立病院」を含めた公的病院の役割を明確化することが求められており(関連記事はこちら)、再編や統合も視野にいれた改革圧力がさらに強くなってくる可能性があります。

 

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