オプジーボ、腎細胞がんと古典的ホジキンリンパ腫治療の最適使用推進ガイドライン—中医協(2)



Pocket

 画期的な抗がん剤であるオプジーボ点滴静注(ニボルマブ製剤)を、「根治切除不能または転移性の腎細胞がん」あるいは「再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫」の治療に用いる際には、一定の施設要件・医師要件を満たした医療機関において、有効性・安全性が確認された患者に限定して投与すること—。

 12日に開催された中央社会保険医療協議会の総会に、このような最適使用推進ガイドライン案、およびこれをベースとした保険診療上の「留意事項通知」案が報告されました(関連記事はこちら)。18日に発出・適用となる見込みです。

4月12日に開催された、「第349回 中央社会保険医療協議会 総会」
4月12日に開催された、「第349回 中央社会保険医療協議会 総会」

患者要件、医師要件、有効性評価の目安となる期間を腎細胞がんなどについて設定

 オプジーボについては、これまでに▼根治切除不能な悪性黒色腫(メラノーマ)▼切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん▼頭頸部がん—の治療における最適使用推進ガイドライン(以下、ガイドライン)が作成されています(関連記事はこちらこちらこちら)。今般、新たに(1)根治切除不能または転移性の腎細胞がん(2)再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫―の治療におけるガイドライン案を厚労省やPMDA(医薬品医療機器総合機構)、関係学会が協力して作成し、中医協に報告したものです。

 ガイドラインには、(a)施設要件(b)医師要件(c)患者要件(d)留意事項―などが記載されます。

 (a)の施設要件は、悪性黒色腫治療などの場合と変わらず、重篤な副作用が発生した場合などに対応できるよう、▼特定機能病院やがん診療連携拠点病院などである▼医薬品情報管理体制を整備している▼有害事象に対する設備や人員などを配置している—ことが求められます。

 

 (b)の医師要件については、治療責任者に関して「初期研修後に5年以上のがん治療の臨床研修を行い、うち2年以上『がん薬物療法を主とした臨床腫瘍学』の研修を行っている」こと、あるいは腎細胞がん治療・古典的ホジキンリンパ腫治療のそれぞれにおいて次のような要件を満たすこと、とされました。

▼腎細胞がん:初期研修後に4年以上の臨床研修を行い、うち2年以上「腎細胞がんの薬物療法を含むがん治療」の臨床研修を行っている

▼古典的ホジキンリンパ腫:初期研修後に4年以上の臨床研修を行い、うち3年以上「造血器悪性腫瘍のがん薬物療法を含むがん治療」の臨床研修を行っている

 

 (c)の患者要件については、腎細胞がん・古典的ホジキンリンパ腫のそれぞれについて次のように設定されています。安全性については他と変わりません。

【腎細胞がん】

▼有効性あり:血管新生阻害作用を有する抗悪性腫瘍剤(アキシチニブ、スニチニブ、ソラフ ェニブ、パゾパニブなど)を含む化学療法歴を有する根治切除不能・転移性の腎細胞がん患者

▼投与対象外(有効性未確立):▽化学療法未治療の患者・サイトカイン製剤のみの治療歴を有する患者▽術後補助化学療法▽他の抗悪性腫瘍剤(サイトカイン製剤を含む)との併用

【古典的ホジキンリンパ腫】

▼有効性あり:自家造血幹細胞移植およびブレンツキシマブに抵抗性または不耐容の再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫患者

▼投与対象外(有効性未確立):▽化学療法未治療の患者▽他の抗悪性腫瘍剤との併用

 

 さらに(d)の留意事項においては、患者・家族への十分な説明や副作用マネジメントの必要性を指摘したほか、腎細胞がん・古典的ホジキンリンパ腫のそれぞれについて次のように「定期的な有効性の評価」を行うよう求めています。

▼腎細胞がん:臨床試験で「投与開始から1年間は8週間ごとに有効性の評価を行っていた」ことを参考に、定期的な画像検査での効果確認を行う

▼古典的ホジキンリンパ腫:臨床試験で「投与開始から6か月以内は8週間ごと、以降は 投与開始から1年間までは12週間ごとに有効性の評価を行っていた」ことを参考に、定期的な画像検査での効果確認を行う

レセプトに、施設要件・医師要件のいずれを満たすかを記載

 厚労省保険局医療課の迫井正深課長は、このガイドラインをベースに保険診療上の留意事項通知を4月18日に発出し、適用する予定であることも報告しています。

 通知では、「ガイドラインに沿って使用する」ことを明示するほか、レセプトの摘要欄に「いずれの施設要件を満たすのか」(がん診療連携拠点病院なのか、特定機能病院なのか、など)、および「いずれの医師要件(上記)を満たすのか」を記載することを求める見込みです。

 さらに、既に腎細胞がん治療などにオプジーボを用いている医療機関があることに鑑み(腎細胞がんへの適応は2016年8月、古典的ホジキンリンパ腫への適応は2016年12月)、▽適用日以前に投与を受けている患者▽投与可否判断に係る医療機関の体制整備などの準備期間—を考慮した経過措置が設けられます。

  

MW_GHC_logo

【関連記事】
オプジーボ、頭頸部がんに適応拡大、最適使用推進ガイドラインなどを新たに通知—厚労省
オプジーボとキイトルーダ、基準満たした施設で有効性の認められた患者に投与せよ―厚労省
オプジーボなどの適正使用推進GL固まる、留意事項通知を2月14日に発出―中医協総会(2)

オプジーボ、2月1日以後の使用では入院期間を通じて「出来高評価」となる―疑義解釈9【2016年度診療報酬改定】
オプジーボ用いた治療、DPC制度下ではすべて出来高算定に―厚労省
オプジーボ、来年2月から薬価を半額に引き下げ―中医協総会

複数医療機関による訪問診療を認めるべきか、患者の状態に応じた在宅医療の報酬をどう考えるか—中医協(1)

Pocket