地方勤務の意思ある医師、20代では2-4年を希望するが、30代以降は10年以上の希望が増える—厚労省



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 地方勤務について、20代医師の多くは「2-4年程度」を希望するが、30代以降は「10年以上」を希望する割合が多くなる―。

 厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」では6日、報告書をまとめるとともに、「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」結果の報告を受けました(厚労省のサイトはこちら

 いわゆる「10万人調査」ですが、回答は1万5677件にとどまりました。調査結果を眺めてみましょう。

▼医師の勤務時間(診療+診療外、以下同)を年代が上がるにつれて減少し、常勤の20代では男性57.3時間(別に当直・オンコールは18.8時間で、うち16時間程度は待機時間)、女性53.5時間(同じく14.0時間、約12時間が待機時間)

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▼診療科別の勤務時間を見ると、救急科、外科、臨床研修医で特に長い

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▼常勤勤務医のうち、勤務時間が週60時間以上の人は男性で27.7%、女性で17.3%

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▼年代別の勤務時間を見ると、男性では20-40代では50-60時間にピークがあり、その後ピークは下がる。女性では20代では50-60時間にピークがあり、その後下がる

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▼育児中に休職・離職した女性医師は、その他の勤務形態をとった女性医師と比べて、専門医資格の取得率が低い

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▼1日のうち、医師が▽患者への説明・合意形成▽基本的なバイタル測定・データ取得▽伝シルテへの記載▽医療事務▽物品運搬—などに費やした時間のうち、20%弱(平均47分)を他職種に分担できる

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▼30代以下の医師は、キャリアとしてほとんどが勤務医、開業医、研究教育を希望するが、40・50代では希望するキャリアが多様化する

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▼20代の勤務医のうち60%が地方で勤務する意思があり、地方勤務意思のある医師は、20代では2-4年間、30代以上は10年以上を希望する割合が高くなる

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▼地方勤務意思のない理由として、20代では▽労働環境への不安▽希望する内容の仕事ができない▽医局の人事―が多く、30・40代では▽子供の教育環境▽家族の理解―が多くなる

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 このように、性・年齢・診療科などによって働き方の実態や意識に大きな違いがあることが分かりました。今後、医師需給などの検討に向けて、調査結果をどう反映していくのか注目が集まります(関連記事はこちらこちらこちら)。

  

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