診療支援やゲノム医療、創薬などの保健医療分野でAI活用へ—厚労省・AI活用懇談会



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 厚生労働省は29日、「保健医療分野におけるAI活用推進懇談会」を開催し全般的な議論を行いました(関連記事はこちら)。

 AI(人工知能)を活用していく分野については、現在、「診療支援」「創薬」「がんゲノム医療」「画像診断」「介護や生活支援」「手術」など7分野が浮上していますが、今後の議論で集約あるいは拡大する可能性もあります。このうち「診療支援」には、診断や治療方針の決定などが含まれます。多数の症例データを集積し、そこにAI技術を組み合わせることで、例えば「A、B、C、Dの症状がある場合にはX疾患の可能性が高く、この場合にはα治療法を選択すれば予後が良い」といった情報を医師が入手し、治療方針を立てる際の重要な要素とすることなどが考えられます。とくに難病などの希少疾患では、「診断の確定」という治療の入り口で難渋するケースも少なくなく、AI活用に期待が集まります(関連記事はこちらこちら)。

 また「がんゲノム医療」や、遺伝情報(ゲノム)を解析し「この遺伝子に変異があるため、この医薬品の投与が効果的」であるといった最適治療の選択が期待でき、またこうした情報の集積結果を活用した革新的新薬の開発も待たれます。27日に初会合が行われた「がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会」の議論とも組み合わせたゲノム医療の推進に注目が集まっています(関連記事はこちら)。

 

 厚労省大臣官房厚生科学課の佐原康之課長は、「AIを活用すべき分野・領域、基盤整備などでさまざまな意見が出ており、議論が完全に煮詰まってはいない」と述べ、報告書取りまとめまではもうしばらく時間がかかりそうです。なお佐原厚生科学課長は「AI活用に向けた工程表も作成したい」との考えを明らかにしています。

  

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