オプジーボ、頭頸部がんに適応拡大、最適使用推進ガイドラインなどを新たに通知—厚労省



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 24日に、画期的な抗がん剤のオプジーボ点滴静注(ニボルマブ製剤)について「頭頸部がん」への適応拡大が認められたことを受け、厚生労働省は同日、最適使用を求める通知「ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤の最適使用推進ガイドライン(頭頸部癌)について」(厚労省のサイトはこちら)と「抗 PD-1抗体抗悪性腫瘍剤に係る最適使用推進ガイドラインの策定に伴う留意事項の一部改正について」(厚労省のサイトはこちら)を発出しました。

医師要件や施設要件を満たしている旨を、レセプトに記載

 オプジーボは、免疫チェックポイント阻害剤として、各種のがんに対する優れた治療効果が期待される一方、超高額な薬価が設定されたため、中央社会保険医療協議会は緊急的・特例的に薬価を引き下げることを決定(2017年2月1日から)。さらに「適切な施設・医師の下で、有効性・安全性の確認された患者にのみ投与すべき」ことを定めた『最適使用推進ガイドラン』(以下、ガイドライン)を作成することとなっています(関連記事はこちらこちら)。

 24日の薬事・食品衛生審議会で、これまでの悪性黒色腫と非小細胞肺がんに加え、新たに「頭頸部がん」への適応が認められたことを受け、厚生労働省は、「頭頸部がん治療用のガイドライン」を作成。さらに、これに基づく「保険診療でこれらの医薬品を用いる場合の留意事項」(留意事項通知)も定めています。いずれも24日に関連通知が発出され、同日から適用されました。その内容は29日の中央社会保険医療協議会にも報告されています(関連記事はこちらこちら)。

 

 施設要件については、悪性黒色腫治療などの場合と大きく変わりませんが(関連記事はこちらこちら)、このうちの「医師要件」に関して、治療責任者が▼初期研修後に5年以上のがん治療の臨床研修を行 い、うち2年以上「がん薬物療法を主とした臨床腫瘍学」の研修を行っている▼初期研修後に4年以上の耳鼻咽喉科領域の臨床研修を行い、うち2年以上「がん薬物療法を含む頭頸部悪性腫瘍診療」の臨床研修を行っている▼初期研修後に5年以上の口腔外科の臨床研修を行い、うち2年以上「がん薬物療法を含む口腔外科のがん治療」の臨床研修を行っている―のいずれかを満たすことが求められる点に留意が必要です(悪性黒色腫治療では皮膚がんの診療、非小細胞肺がんでは肺がん診療に関する研修が求められる)。

 なお、留意事項通知では、レセプトの摘要欄に「いずれの施設要件を満たすのか」(がん診療連携拠点病院なのか、特定機能病院なのか、など)、および「いずれの医師要件(上記)を満たすのか」を記載することを求めています。

すでに化学療法を実施している頭頸部がん患者で、オプジーボ投与が有効

 また患者要件のうち安全性については、悪性黒色腫治療などと同様ですが(関連記事はこちらこちら)、有効性については次のように規定されました。

▼プラチナ製剤を含む化学療法歴のある患者において本剤の有効性が示されている

▼「プラチナ製剤を含む化学療法による治療歴のない患者」「術後補助化学療法」「他の抗悪性腫瘍剤との併用」では有効性が確立されておらず、投与対象とならない

 また、本剤はPD-L1発現率により有効性の傾向が異なることが示唆されており、「PD-L1発現率も確認」した上で本剤の投与可否の判断をすることが望ましく、PD-L1発現率が1%未満の患者では、「本剤以外の治療選択肢」も考慮することになります。

 

 さらにガイドラインでは、悪性黒色腫治療などと同様の「投与に際して留意すべき事項」を規定しています(関連記事はこちらこちら)。もっとも頭頸部がん治療に用いる場合には「定期的に効果の確認を行う」ことも求められます。具体的には、臨床試験で行われていた「投与開始から9週目、それ以降は、投与開始から1年間は6 週間ごと」の有効性評価が参考になります。

 

なお、中医協総会では「適応拡大の場合には、ガイドラインや留意事項通知の内容は従前と変わらないため、事後報告とする」ことが了承されました。これについて29日の中医協総会で花井十伍委員(日本労働組合総連合会「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)は、「従前と変更になる部分については、確定し通知発出の前に、適宜、中医協に相談してほしい」と要望しています。

  

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