中間年の薬価見直し、対象品目の基準(乖離率など)を事前に示しておくべきか―中医協・薬価専門部会



 2年に一度の薬価改定の中間年においても薬価の調査を行い、「薬価と市場実勢価格との間の乖離が大きい品目」については薬価の引き下げを行うことになるが、「乖離の大きさ」について基準などを定めるべきか―。

 15日に開催された中央社会保険医療協議会の薬価専門部会では、こうしたテーマについて議論が行われました。

3月15日に開催された、「第128回 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」
3月15日に開催された、「第128回 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」

事前に乖離率などを示せば、公正な取引を阻害するとの意見も

 昨年(2016年)末に決定された「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」に沿って、中医協薬価専門部会では具体的な抜本改革案の議論が精力的に続けられています。15日の会合では「中間年の薬価調査・薬価改定」をテーマに議論が行われました。

 現在、2年に一度、医療用医薬品の市場実勢価格を調査し(薬価調査)、薬価との乖離が一定以上の場合には薬価の引き下げが行われます。今後は、抜本改革基本方針に沿って、中間年にも何らかの形で市場実勢価格を調査し、そこで乖離の大きな品目について薬価の引き下げを行うことになります。

 市場実勢価格の調査方法については、2月8日の薬価専門部会で議論し、いわゆる4大卸(アルフレッサ、メディパル、スズケン、東邦薬品)に協力を求めてはどうかといった意見や、特定事業者に絞った場合のバイアスをどう考えるかといった意見が出されています。

 15日の薬価専門部会では、調査の後に薬価を引き下げるにあたり、その対象品目をどう考えるのか、つまり「乖離が大きい」とする点をどう考えるのか、という議論が行われました。

 この点について支払側の吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)は、「メーカーの予見性を確保し、また公平性を確保するためには、基準数値を示すかどうかは別にして、一定の考え方を示す必要がある」と指摘。一方、メーカー代表の立場で出席している加茂谷佳明専門委員(塩野義製薬株式会社常務執行役員)は「基準の示し方にもよるが、例えば『乖離率●%』などと示されれば、それが医療機関と卸業者の間における価格交渉のメルクマールになってしまう」と指摘。正常な取引のためにも慎重な検討が必要と強調しています。

 

 ところで、同じ成分の後発品については、現在、次の3つに区分け、それぞれの区分内では価格を統一しています。この点について、厚労省保険局医療課の中山智紀薬剤管理官は、「同一価格帯にある後発品の一部が『乖離が大きい』として薬価引き下げ対象となったとき、価格帯をどう考えるべきか」という論点も示しています。

▼最高価格の30%未満の算定額となる後発品を1つの価格(加重平均値)として収載(統一名収載)

▼最高価格の30%以上、50%未満の算定額となる後発品を1つの価格(加重平均値)として収載

▼最高価格の50%以上の算定額となる後発品を一つの価格(加重平均値)として収載

後発医薬品の薬価は、3つの価格帯に分け、それぞれの価格帯で「統一価格」が設定されている
後発医薬品の薬価は、3つの価格帯に分け、それぞれの価格帯で「統一価格」が設定されている

  

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