医療と介護の整合性確保、従来の「連携とは異なる感覚」で取り組んでほしい―厚労省・医政局



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 2018年度から第7次医療計画と第7期介護保険事業(支援)計画が同時にスタートし、両計画(とくに在宅医療と介護の整備目標)に整合性をとる必要がある。従来は「医療・介護連携」がキーワードであったが、今後は、より具体的に、従前とは違う感覚で取り組んでほしい―。

 9日に開かれた2016年度の「全国医政関係主管課長会議」で、厚生労働省医政局地域医療計画課の佐々木健課長は、都道府県の担当者に宛てて、このように強調しました(関連記事はこちら)。

地域医療介護総合確保基金、「機能分化・連携」に資する事業に重点配分

 全国医政関係主管課長会議は、厚労省医政局の幹部が都道府県に対し、次年度の重要施策について詳細に説明する会議です。冒頭、厚労省大臣官房の椎葉茂樹審議官(医政、精神保健医療、災害対策、医薬品等産業振興担当)(老健局、保険局併任)は、2017年度の重点事項の中から、(1)医療事故調査制度の普及啓発(2)医療計画・地域医療構想の策定(3)地域医療介護総合確保基金(4)地域医療連携推進法人(5)新専門医制度(6)特定行為研修(研修を受けた看護師が医師の包括的指示の下で一定の医療行為を可能とする仕組み)―など10のポイントをピックアップ。

厚生労働省大臣官房の椎葉茂樹審議官(医政、精神保健医療、災害対策、医薬品等産業振興担当)(老健局、保険局併任)
厚生労働省大臣官房の椎葉茂樹審議官(医政、精神保健医療、災害対策、医薬品等産業振興担当)(老健局、保険局併任)

 椎葉審議官は、(2)の医療計画においては「介護保険事業(支援)計画との整合性確保を図ってほしい」、(5)の新専門医制度においては「研修プログラムを日本専門医機構が認定する前に、都道府県の協議会で医師偏在が助長されないかを確認する仕組みとなる。事前の準備を進めてほしい」などと要望。また(3)の地域医療介護総合確保基金について、「病院・病棟の機能分化・連携」に資する事業に重点的に配分する考えを述べています。

地域医療構想調整会議、進捗確認の折には「現場の課題」などを教えてほしい

 地域医療計画課の佐々木健課長からは、医療計画や地域医療構想、在宅医療の推進などについて説明が行われました。

厚生労働省医政局地域医療計画課の佐々木健課長
厚生労働省医政局地域医療計画課の佐々木健課長

 2018年度から第7次医療計画がスタートするため、厚労省は「医療計画の見直し等に関する検討会」を開催して意見を取りまとめ、本年度(2016年度)内に計画作成に当たっての指針などが発出されます。また2018年度からは、第7期の介護保険事業(支援)計画も同時にスタートするため、両計画の整合性確保が極めて重要となります。厚労省は両計画の上位指針に当たる「総合確保方針」を昨年(2016年)12月に改訂し、とくに在宅医療と介護のサービス量整備目標について整合性を図るために「都道府県、市町村、医療・介護関係者による協議の場」を設置することを求めています。

 この点について佐々木地域医療計画課長は、「従来は『医療・介護連携』がキーワードであったが、今後は、より具体的に、従前とは違う感覚で取り組んでほしい」と強調しました。

2018年度から新たな医療計画と新たな介護保険事業(支援)計画がスタートするため、両計画の整合を図る「協議の場」の設置と運用が極めて重要となる
2018年度から新たな医療計画と新たな介護保険事業(支援)計画がスタートするため、両計画の整合を図る「協議の場」の設置と運用が極めて重要となる

 

 また地域医療構想については本年度(2016年度)中に全都道府県で作成が完了する見込みで、今後「構想を実現するための、地域医療構想調整介護の議論をいかに充実させるか」というフェーズに入ります。佐々木地域医療計画課長は、調整会議の進め方について例示した上で、「調整会議は少なくとも3か月に1回程度は開催していただき、厚労省から都道府県に対し進捗状況の確認などを行う。その際に、都道府県からは現場の課題などをざっくばらんに伝えてもらいたい。都道府県と国が一体となって病院・病棟の機能分化・連携を進めていく必要がある」と要望しています(関連記事はこちらこちら)。

地域医療構想調整会議の進め方(案)、これを2017年度以降、毎年度繰り返し、構想実現を目指すことになる
地域医療構想調整会議の進め方(案)、これを2017年度以降、毎年度繰り返し、構想実現を目指すことになる

 

 地域医療構想を実現するための1つのツールとして「地域医療介護総合確保基金」があげられます。佐々木地域医療計画課長は、▼4月に各都道府県(関係団体を含む)とのヒアリング▼5月以降に内示▼7月以降に都道府県から計画の提出を受け、交付決定―というスケジュールを説明。さらに、「一般財源(地方交付税)で賄っていた事業と類似するものは、基金を使わなければならない明確な理由が求められる」行っていた事業「具体的な整備計画が定なっている事業を優先して、配分額を調整する」「交付を決定したが未執行のものが一定程度ある(2015年度には60億円程度)。ここに配慮しながら都道府県への配分を考えていくことになる」旨の考えも示しており、今後、都道府県は管内の医療機関などと綿密な打ち合わせを行い、より実効性のある事業計画策定が求められます。

 

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