新専門医制度、東京・神奈川・愛知・大阪・福岡では、専攻医上限を過去3年平均に制限―日本専門医機構



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 新たな専門医制度によって医師の地域偏在が助長されることのないよう、▼東京都▼神奈川県▼愛知県▼大阪府▼福岡県―の5都府県では、専攻医総数について「過去3年間の採用実績の平均値」を上限としてはどうか―。

 日本専門医機構の理事会において、こういった方向で議論が進められていることが17日の定例記者会見で吉村博邦理事長(地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授)から発表されました。

 ただし医師が不足している▼外科▼産婦人科▼病理―といった領域では、この上限設定は適用しない方向のようです。

2月17日の理事会後に記者会見に臨んだ、日本専門医機構の吉村博邦理事長(地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授、中央)と、山下英俊副理事長(山形大学医学部長、向かって右)、松原謙二副理事長(日本医師会副会長、向かって左)
2月17日の理事会後に記者会見に臨んだ、日本専門医機構の吉村博邦理事長(地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授、中央)と、山下英俊副理事長(山形大学医学部長、向かって右)、松原謙二副理事長(日本医師会副会長、向かって左)

専攻医の多い内科・外科などでは、「1県に複数の基幹施設」を設置してほしい

 日本専門医機構では、来年度(2018年度)からの新専門医制度の全面スタートに向けて、昨年12月に新制度の憲法とも言うべき「専門医新整備指針」を固めました(関連記事はこちらこちら)。専門医の知識・技術レベルを確保すると同時に、「医師の地域偏在」への配慮を行うという両立の難しい2つの柱が打ち立てられています。

 現在は新整備指針にのっとり、領域ごとの「運用細則」の策定に向けた議論が進められており、吉村理事長は(1)基幹病院の考え方(2)都道府県別の専攻医定員―2つの点について議論の状況を明らかにしています。

 (1)の基幹病院について、新整備指針では「『大学病院以外の医療施設も、研修施設群の基幹施設となれる』ような基準を設ける」ことが明らかにされました。オールジャパンで積極的に専門医制度を育てていくとの考え方に基づくものです。

 この点について吉村理事長は、▼内科▼小児科▼精神科▼外科▼整形外科▼産婦人科▼麻酔科▼救急―の領域においては、専攻医が多いため(過去5年間の専攻医採用実績が350名以上)、教育レベルを保つ観点から「原則として、1つの都道府県に『複数の基幹施設』を設けるべき」と考えていることを明らかにしました。これ以外の領域については、「必ずしも複数の基幹施設を設ける必要はない」ことになります。

 また(2)の偏在対策については、新整備指針で「機構は、基本領域学会と協同して、研修プログラム制による専攻医登録をする際に医師の都市部への偏在助長を回避することに努める」ことや、「専攻医の集中する都市部の都府県に基幹施設がある研修プログラムの定員等については、都市部への集中を防ぐため、運用細則で別途定める」こととされています。

 この点について吉村理事長は▼東京都▼神奈川県▼愛知県▼大阪府▼福岡県―の5都府県を「大都市」とし、「この地域においては、専攻医総数の上限を『過去3年の実績の平均値』を超えないように設定したい」との考えを明らかにしています。もっとも、▽外科▽産婦人科▽病理―などの領域では、医師不足が目立つため、上限設定を適用しない考えです。なお、5都府県の選定根拠は「2014年の医師・歯科医師・薬剤師調査(三師調査)において、医籍登録後3-5年の医師が全国総数の5%以上在籍している自治体」と説明されました。ちなみに5都府県のいずれにも、4以上の大学医学部があります。

 

 また注目される総合診療専門医についても、「教育レベルの確保」と「地域偏在の助長防止」が課題となっているようです。機構の松原謙二副理事長(日本医師会副会長)は「これまでに404プログラム(5505の連携施設)が申請され、定員ベースでみると3分の1が大都市圏となってしまっている。定員を1600名まで絞って(1プログラムにつき4名の専攻医と仮定)してみても、やはり3分の1は大都市に集中してしまう。都道府県の協議会で議論し、偏在が助長されないように検討してく必要がある」との考えを示しました。なお、総合診療専門医の研修プログラムについては▽内科(1年以上)▽小児科▽救急―のほかに外科も盛り込む方向で議論が進められているようです。

 

 これらについて理事会での議論は必ずしもまとまっておらず、吉村理事長は「各基本領域学会らとさらなる調整進め、3月の理事会で運用細則などを取りまとめたい」と考えています。

 

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