肥満や血圧などの健康リスク保有者、罹患疾病トップは高血圧症―健保連



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 2014年度に特定健康診査(特定健診)を受診した健保組合被保険者の6割が「血圧」「脂質」「血糖」の何らかのリスクを保有しており、男女別にみると男性で7割、女性で4割と、リスク保有者の割合は圧倒的に男性が高い。またリスク保有者とリスクなしの人では、罹患している疾病が大きくことなり、リスクなしの人では鼻炎(血管運動性・アレルギー性)がもっとも多いのに対し、肥満・血圧・脂質・血糖のリスク保有者では本態性高血圧症が群を抜いて多い―。

 健康保険組合連合会(健保連)が10日に公表した、「被保険者(40-74歳)の健康状態と生活習慣病に関する調査分析」結果からこういった状況が明らかになりました(健保連のサイトはこちら)>。

40歳—74歳、6割は血圧・脂質・血糖のいずれかのリスクを保有

 健保連はかねてからデータヘルスに積極的に取り組んでおり(関連記事はこちらこちら)、今般の調査では、2014年度の特定健診受診者について健康リスクと生活習慣病の罹患状況を分析しています。

 まず、2014年度に特定健診を受診した270万4001人(男性202万3161人、女性68万840人)についてどのような健康リスクを保有しているかを見ると、次のような状況が分かりました。

▼肥満(腹囲が男性で85㎝以上、女性で90㎝以上など)が40.8%。男性48.1%、女性19.2%で、男性の割合が圧倒的に高い。男女とも年齢による大きな差は見られない

▼血圧(収縮期130㎜Hg以上、拡張期85㎜Hg以上)が35.1%。男性39.2%、女性23.0%で、男性が比較的高い。男女とも年齢が高くなるにつれてリスク保有者の割合が高くなる

▼脂質(中性脂肪150mg/dL以上、HDLコレステロール40mg/dL未満)が24.8%。男性30.1%、女性9.1%で、男性の割合が圧倒的に高い。男性では50歳を過ぎると年齢上昇とともにリスク保有者割合が低くなるが、女性では年齢上昇とともに高くなる傾向がある

▼血糖(空腹時血糖100mg/dL以上、HbA1c5.6%以上)が33.5%。男性38.2%、女性19.5%で、男性が比較的高い。男女とも年齢が高くなるにつれてリスク保有者の割合が高くなる

▼内臓脂肪症候群該当者(腹囲が男性85㎝以上、女性90㎝以上で、血圧・脂質・血糖の追加リスクがいずれか2つ以上)が15.0%。男性が18.8%、女性が3.6%で、男性が圧倒的に高い。女性では年齢上昇とともにリスク保有者の割合が高くなっている

▼内臓脂肪症候群予備軍((腹囲が男性85㎝以上、女性90㎝以上で、血圧・脂質・血糖の追加リスクがいずれか1つ)が14.0%。男性が17.3%、女性が4.4%で、男性が圧倒的に高い。女性では年齢上昇とともにリスク保有者の割合が若干高まる

 また血圧・脂質・血糖のいずれのリスクも保有していない者の割合は全体の39.0%にとどまり、約6 割が何らかのリスクを保有している状況です

健康リスク保有者とリスク非保有者では、罹患疾病の構造が大きく異なる

 次に、2014年度の特定健診データと、翌2015年度のレセプトデータを紐づけられた156万8373人(男性124万3351人、女性32万5022人)について、健診結果と疾病との関係を見てみると、「健康リスク保有者」と「健康リスク非保有者」では罹患している疾病に大きな違いがあることが分かりました。

▼リスク非保有者:血管運動性鼻炎・アレルギー性鼻炎18.6%、屈折・調節の障害16.9%、急性気管支炎12.3%など

▼肥満リスク保有者:本態性高血圧(症)23.4%、血管運動性鼻炎・アレルギー性鼻炎13.0%、リポたんぱく代謝障害・その他脂質血症10.7%など

▼血圧リスク保有者:本態性高血圧(症)29.0%、血管運動性鼻・アレルギー性鼻炎12.1%、リポたんぱく代謝障害・その他脂質血症9.8%など

▼脂質リスク保有者:本態性高血圧(症)21.9%、リポたんぱく代謝障害・その他脂質血症13.1%、血管運動性鼻炎・アレルギー性鼻炎12.5%など

▼血糖リスク保有者:本態性高血圧(症)21.4%、詳細不明の糖尿病14.5%、血管運動性鼻炎・アレルギー性鼻炎11.6%など

健康リスクのない人と、何らかの健康リスクを保有する人では、罹患疾患の構造が異なる(その1)
健康リスクのない人と、何らかの健康リスクを保有する人では、罹患疾患の構造が異なる(その1)

健康リスクのない人と、何らかの健康リスクを保有する人では、罹患疾患の構造が異なる(その2)
健康リスクのない人と、何らかの健康リスクを保有する人では、罹患疾患の構造が異なる(その2)

 いずれの健康リスク保有者でも、本態性高血圧症が罹患疾病の群を抜いたトップとなっており、生活習慣の改善などによる健康リスクの低減により「高血圧症患者の減少」、ひいては脳卒中や心筋梗塞などの循環器系疾患の罹患者の減少に結びつけることができそうです。

   

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