2017年1月までに517件の医療事故が報告、半数で院内調査が完了―日本医療安全調査機構



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 今年(2017年)1月に医療事故調査・支援センター(以下、センター)に報告された医療事故は30件。一昨年(2015年)10月に医療事故調査制度がスタートしてから、累計で517件の医療事故が報告され、このうち50.0%(258件)で院内調査が完了。また遺族や医療機関からのセンターへの調査依頼は累計で21件となっている―。

 こうした状況を、日本で唯一のセンターである医療安全調査機構が9日に公表しました(前月の状況はこちら)(機構のサイトはこちら)。

院内調査のスピードはさらに上がり、事故の半数で調査完了

 一昨年(2015年)10月に医療事故調査制度がスタートしました。これは医療事故の再発防止を目指すことが目的で、管理者が予期しなかった「医療に起因し、または起因すると疑われる死亡または死産」のすべてをセンターに報告することが医療機関の管理者(院長など)に義務付けられます。事故が発生した医療機関ではその原因を調査し、調査結果をセンターに報告、遺族に説明するとともに、センターでは事故事例を集積する中で再発防止策などを練っていきます。

医療事故調査制度の概要、「院内調査」を第一に行い、「医療事故調査・支援センター」がそれを補完する格好で調査が行われ、再発防止策に結びつける
医療事故調査制度の概要、「院内調査」を第一に行い、「医療事故調査・支援センター」がそれを補完する格好で調査が行われ、再発防止策に結びつける

 我が国唯一のセンターである機構では、毎月、医療事故の報告状況を公表しており、今年(2017年)1月には、医療事故が新たに30件報告され、制度発足からの累計報告件数は517件となっています。

 1月の報告は、病院からが29件、診療所からが1件で、診療科別に見ると▼外科5件▼内科4件▼循環器内科3件▼心臓血管外科3件▼産婦人科3件―などで多くなっています。

2017年1月に、新たに30件の医療事故が報告され、制度発足(2015年10月)からの累計で517件の医療事故が報告されている
2017年1月に、新たに30件の医療事故が報告され、制度発足(2015年10月)からの累計で517件の医療事故が報告されている

 

 ところで医療事故が発生した場合、医療現場には「死亡事例が発生してしまったが、これは報告すべき医療事故なのか?」「医療事故が生じたが、どのようにセンターに報告を行うのか?」といった疑問、また遺族には「家族が病院で死亡したが、医療事故として報告されない。なぜなのか?」といった疑問が生じると考えられます。そのためセンターでは、医療機関や遺族からの相談に対応していますが、今年1月に新たにセンターに寄せられた相談は144件で、制度発足からの累計は2472件となりました。内訳を見ると、医療機関からが88件、遺族などからが48件、その他8件となっています。

 医療機関からの相談内容としては、「院内調査について」がもっとも多く34件、次いで「医療事故報告の手続き」32件、「医療事故に該当するか否かの判断」13件などとなっています(関連記事はこちらこちら)。一方、遺族などからの相談の中身を見ると、「医療事故に該当するか否かの判断」が25件と半数超を占めていますが、この中には「制度開始前の事例」「生存事例」など報告対象外のものも少なくありません。国民に対する制度の浸透はまだ十分とは言えないようです。

センターへの相談は2017年1月に144件あり、うち88件が医療機関から、48件が遺族などからのものとなっている
センターへの相談は2017年1月に144件あり、うち88件が医療機関から、48件が遺族などからのものとなっている

 

 冒頭に述べたように、医療事故が発生した医療機関では、まず院内で原因究明に向けた調査を行います。今年1月に新たに院内調査が完了した事例は32件で、制度発足からの累計で258件となりました。報告された全517件のうち50.0%とちょうど半数で院内調査が完了しており、調査のスピードは制度発足から右肩上がりで向上しています。

医療事故を報告した医療機関で院内調査が済んだものは2017年1月に32件、制度発足からの累計で258件で、事故全体の50.0%となった
医療事故を報告した医療機関で院内調査が済んだものは2017年1月に32件、制度発足からの累計で258件で、事故全体の50.0%となった

 

 なお、遺族の中には院内調査結果に満足がいかない、あるいは院内調査が遅すぎる(何かを隠すために時間稼ぎをしているのではないか)と考える人も出てくるでしょう。また診療所など小規模の医療機関では、院内調査にスタッフを避けないところもあります(医師会や病院団体などの支援団体がサポートを行う仕組みもある)。こうしたケースに備え、遺族や医療機関がセンターに調査を依頼できる仕組みも用意されており、今年1月にセンターへなされた調査依頼は2件で、これは遺族からの依頼でした。制度発足からの累計では21件(遺族から15件、医療機関から6件)で、このうち18件では「院内調査結果報告書の検証中」(適切に院内調査が行われたかのチェック)、3件では「院内調査の結果待ち」という状況です。

   

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