一般病床、平均在院日数の短縮にブレーキ?病床利用率は迷走中―病院報告、16年10月分



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 10月分の平均在院日数・病床利用率を5年分眺めてみると、「平均在院日数」は短縮を続けていたが最近やや歯止めがかかった感がある一方、「病床利用率」は増減を繰り返しており、「病院の平均在院日数短縮スピードに、空床対策が追いついていない」のではないか―。

 このような状況が、厚生労働省が9日に発表した2016年10月分の病院報告から明らかになりました(前月の記事はこちら)(厚労省のサイトはこちら)。

前月に比べて、平均在院日数が横ばい、病床利用率は上昇

 厚労省は毎月、(1)1日平均患者数(2)平均在院日数(3)月末病床利用率―について集計し、「病院報告」として公表しています(年間版も公表されています)。

 (1)の1日平均患者数は、2016年10月には病院全体で入院124万2451人(前月比1218人・0.1%増)、外来134万1735人(同2万1333人、1.6%減)で、入院はほぼ横ばい、外来はわずかな減少となりました。

 病院の一般病床を見てみると、入院患者数は66万5282で、前月に比べて4565人・0.7%増加しました。また病院の療養病床では、入院患者数は28万6453人で、前月に比べて2011人・0.7%減少となっています。

2016年10月、前月に比べて病院の患者数は入院は横ばい、外来はやや減少した
2016年10月、前月に比べて病院の患者数は入院は横ばい、外来はやや減少した

 

 (2)の平均在院日数については、病院全体では28.4日で、前月から0.3日短縮しました。病院の病床種別に見ると、▼一般病床16.2日(前月比増減なし)▼療養病床154.5日(同1.1日延伸)▼介護療養病床316.9日(同2.6日延伸)▼精神病床274.5日(同10.1日延伸)▼結核病床68.0日(同2.4日延伸)―となり、程度の差こそあれ、多くの病床種別で平均在院日数が延伸してしまっています。

 前月(2016年9月)にも、平均在院日数の延伸が見られ、2か月連続での延伸は少し気になります。

2016年9月、一般病床の平均在院日数は前月から横ばいとなった
2016年9月、一般病床の平均在院日数は前月から横ばいとなった

 

 (3)の月末病床利用率を見ると、病院全体では79.0%で、前月に比べて0.4ポイント上昇(改善)しました。病院の病床種別に見ると、▼一般病床74.0%(前月から1.1ポイント上昇)▼療養病床87.0%(同0.5ポイント低下)▼介護療養病床91.0%(同0.4ポイント低下)▼精神病床85.7%(同0.5ポイント低下)▼結核病床35.3%(同0.1ポイント上昇)―という状況です。

2016年9月、一般病床の病床利用率は前月よりも1.1ポイント上昇した
2016年9月、一般病床の病床利用率は前月よりも1.1ポイント上昇した

 

 なお一般病床の平均在院日数(10月分)を5年前から見てみると、▼2011年:17.9日→(1.0日減)→▼2012年:16.9日→(0.1日減)→▼2013年:16.8日→(0.5日減)→▼2014年:16.3日→(0.2日減)→▼2015年:16.1日→(0.1日増)→▼2016年:16.2日―となり、短縮傾向にストップがかかったように見えます(厚労省のサイトはこちら)。

 また病床利用率は、▼2011年:74.5%→(0.7ポイント増)→▼2012:75.2%→(0.9ポイント減)→▼2013:74.3%→(0.8ポイント減)→▼2014年:73.5%→(3.1ポイント減)→▼2015年:70.4%→(3.6ポイント増)→▼2016年:74.0%―となっており、増減を繰り返しているようです(厚労省のサイトはこちら)。

 メディ・ウォッチで繰り返しお伝えしていますが、病院経営において「平均在院日数の短縮」と「病床利用率の上昇」を同時に達成することが極めて重要です。平均在院日数の短縮は、例えばDPCII群要件の1つである「診療密度」向上に大きく寄与するほか、感染やADL低下のリスクを低く抑えることができます。この点、ここ数年で「短縮」傾向にストップがかかったようにも見え、今後の状況を注視する必要があります。

 一方、在院日数短縮は「空床を生む」原因の1つでもあり、同時に「新規入院患者の獲得」などの対策をとる必要がありますが、上記の経年変化をみると「対策が十分な効果をあげていない」ことが伺えます。近隣の医療機関との連携強化や、救急搬送患者の積極的受入れなどの「空床」(増患)対策には限界もあるため、早い段階で「ダウンサイジング」や「近隣病院との再編・統合」といった選択肢も検討するべきでしょう。

   

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