2016年10月に報告された医療事故は35件、制度開始からの累計で423件―日本医療安全調査機構



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 今年(2016年)10月に医療事故調査・支援センター(以下、センター)に報告された医療事故は35件。昨年(2015年)10月の制度発足からの累計で423件の医療事故が報告されており、うち183件では院内調査が済んでいる。またセンターへの調査依頼は累計で16件―。

 こうした状況を、日本医療安全調査機構(日本で唯一のセンター)が9日に発表しました(機構のサイトはこちら)。

院内調査はさらにスピードアップ、センターへの調査依頼は10月はゼロ件

 医療事故調査制度は、医療事故の再発防止を目指し、「医療に起因し、または起因すると疑われる死亡または死産」のうち「管理者が予期しなかったもの」すべてをセンターに報告するものです。事故が発生した医療機関で原因を調査し、それをセンターや遺族に報告。センターでは事例を集積して再発防止策などを練ります。

 医療事故調査制度は昨年(2015年)10月からスタートし、日本医療安全調査機構は1年間の総括を行いました。これとは別に機構では、医療事故の報告状況や院内調査の進捗状況などを集計し、毎月公表しています。今年(2016年)10月には、医療事故が35件報告され、制度発足からの累計報告件数は423件となりました。

 10月の報告は病院からが33件、診療所からが2件で、診療科別に見ると▽外科8件▽消化器科4件▽心臓血管外科3件▽産婦人科3件―などとなっています。

2016年10月に35件の医療事故が報告され、制度発足(2015年10月)からの累計で423件の医療事故が報告されている
2016年10月に35件の医療事故が報告され、制度発足(2015年10月)からの累計で423件の医療事故が報告されている

 

 また医療機関からセンターへの相談は、今年10月には170件寄せられ、制度発足からの累計は1990件となりました。内訳を見ると、医療機関から69件、遺族などから88件、その他13件となっています。医療機関からの相談内容としては、「医療事故報告の手続き」が33件ともっとも多く、次いで「院内調査について」が24件あります。「医療事故に該当するか否かの判断」は11件にとどまりました。なお、今年6月から「医療事故に該当するか否か」の判断におけるバラつきを是正するために、運用改善(支援団体等連絡協議会の設置など)が行われており、この効果の可能性もあります。

 一方、遺族などからの相談では「医療事故に該当するか否かの判断」が59件と圧倒的に多く、医療機関と遺族などで報告制度に関する受け止めにズレが出てきている可能性もあります。

センターへの相談は2016年10月に170件あり、うち69件が医療機関から、88件が遺族からとなっている
センターへの相談は2016年10月に170件あり、うち69件が医療機関から、88件が遺族からとなっている

 

 また医療事故が発生した医療機関では、前述のとおり、まず院内で原因究明に向けた調査を行います。今年10月に新たに院内調査が済んだのは22件で、制度発足からの累計で183件となりました。報告された全423件のうち43.3%で院内調査が済んでいる状況です。前月までには39.0%で院内調査が済んでいたので、院内調査のスピードがさらに上がっていることが分かります。

医療事故を報告した医療機関で院内調査が済んだものは2016年10月に22件、制度発足からの累計で183件で、事故全体の4割超となった
医療事故を報告した医療機関で院内調査が済んだものは2016年10月に22件、制度発足からの累計で183件で、事故全体の4割超となった

 

 なお、遺族の中には院内調査結果に満足がいかない人も出てくると考えられます。また小規模の医療機関では、マンパワー不足などから院内調査を十分に行えない可能性もあります(医師会や病院団体などの支援団体がサポートを行う仕組みもある)。こうしたケースに備え、遺族や医療機関がセンターに調査を依頼できる仕組みも用意されています。今年10月にはセンターへの調査依頼がなく、制度発足からの累計では16件(遺族から13件、医療機関から3件)となっています。院内調査のスピードアップが、センターへの調査依頼を増やさないことにもつながっていると考えられるのではないでしょうか。

 

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